日本大百科全書(ニッポニカ) 「室津(兵庫県)」の意味・わかりやすい解説
室津(兵庫県)
むろつ
兵庫県南西部、たつの市の一地区。国道250号が通じる。『播磨国風土記(はりまのくにふどき)』に「風を防ぐこと室の如(ごと)し」とある天然の良港で、古代から瀬戸内海航路の要港であった。平安末期には京都上賀茂(かみがも)社領として、別宮(べつぐう)賀茂神社の門前町となり、中世には室山(むろやま)城が築かれ城下町の色彩を加えた。江戸時代、参勤交代の西国大名はここで上陸し、6軒の本陣をもつ海の宿場町として室津千軒の繁栄を誇った。いまは静かな漁港であるが町並みにかつての繁栄のおもかげをとどめる。
[大槻 守]
『『兵庫の町並――篠山・室津・平福』(1975・兵庫県教育委員会)』
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