妊娠中の健診(読み)にんしんちゅうのけんしん(英語表記)Checkups during pregnancy

六訂版 家庭医学大全科 「妊娠中の健診」の解説

妊娠中の健診
にんしんちゅうのけんしん
Checkups during pregnancy
(女性の病気と妊娠・出産)

 妊娠中の健康管理は、母体胎児双方が妊娠期間を正常に過ごすことを目標にします。そのため、日本では妊婦定期健診が行われています。健診は、胎児の心拍が確認され、分娩予定日が確定したあとの、妊娠12週ころから開始されます。

 健診の間隔は妊娠23週までは4週間に1回、24~35週までは2週間に1回、36週以後は毎週行われるのが一般的です。施設や妊婦の状況によって、間隔がもっと短くなることもあります。

 健診のたびに行われるチェック項目は、母体に関しては、体重、血圧尿蛋白、尿糖、浮腫子宮底長(恥骨結合上縁(ちこつけつごうじょうえん)から子宮の最上部まで、体の中心線上を皮膚に沿って測定した長さ)、腹囲となっています。また胎児に関しては、触診胎位(たいい)頭位(とうい)骨盤位(こつばんい)横位(おうい)か)、胎向(たいこう)(右向きか左向きか)、心拍の有無と数を診ます。

 なお、日本では、母子保健法に基づいて妊娠を市区町村に届けると、母子健康手帳が交付されます。母子健康手帳は、妊娠中の母子の状態や出生後の子どもが6歳になるまでの健康状態を記録するものですが、同時に保健指導が記載されています。また、母子健康手帳が発行される際、妊婦健診費用を補助する券が発行され、契約診療機関で使用できます。

藤井 知行

出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報