大院（読み）たいいん

精選版 日本国語大辞典

たい‐いん ‥ヰン【大院】

〘名〙

① 太上天皇(だいじょうてんのう)の居所。

※三代実録‐貞観五年（863）正月三日「太上天皇所_レ居為_二大院_一、尚侍所_レ居為_二其次_一」

② 規模の大きい建物。

※西国立志編（1870‐71）〈中村正直訳〉一一「学術の為に天工人造の万物を陳列する大院」

出典　精選版 日本国語大辞典

日本歴史地名大系

大院
たいゆういん

• 栃木県：日光市
• 日光山内
• 大院

[現在地名]日光市山内

大黒（だいこく）山にあり、現在は輪王寺の別院。慶安四年（一六五一）四月二〇日没した三代将軍徳川家光（大猷院）の廟所。祖父家康を尊崇する家光は朝夕家康の側近く侍ることを望み、死後日光山、慈眼（じげん）堂の傍に葬るようにとの遺命を残した（「徳川実紀」同年四月二二日条）。現在も慈眼堂（天海廟）の北、東照宮に向かって建つ。大猷院廟は承応二年（一六五三）に落慶。このとき別当龍光（りゆうこう）院が創設され、さらに明暦元年（一六五五）院領三千六〇〇余石が寄進された（「徳川家綱寄進状」日光山御判物之写）。

出典　平凡社「日本歴史地名大系」