大庭寺遺跡(読み)おばでらいせき

日本歴史地名大系 「大庭寺遺跡」の解説

大庭寺遺跡
おばでらいせき

[現在地名]堺市大庭寺・小代

陶邑すえむら古窯跡群の一角に所在し、近くには初期の須恵器窯が点在する。昭和六二年(一九八七)から平成五年(一九九三)まで、七年間にわたって発掘調査が行われた。その結果、北東から南西へ、平地部、旧河道、丘陵、谷地形などの地形が明らかとなり、縄文時代以降、各時代の遺構遺物がみつかった。そのうちでも中心となるのは、古墳時代中期、五世紀はじめの初期須恵器にかかわるものである。

丘陵部からは、初期須恵器を出土する土坑、古墳時代中期から後期にかけての掘立柱建物群などが、丘陵斜面からは竪穴住居二棟をはじめ、甕を数個並べた溝や、須恵器と韓式系土器が多量に出土する土坑などがみつかり、集落の一部が明らかとなった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android