城郭・城廓（読み）じょうかく

精選版 日本国語大辞典

じょう‐かく ジャウクヮク【城郭・城廓】

〘名〙

① 外まわりのかこい。囲い。

※今昔（1120頃か）四「父母の旧宅に行ぬ。城廓(じゃうくゎく)頽れ破れて只朽たる柱・梁(うつはり)の木許有り」 〔孟子‐離婁・上〕

② ある場所を敵の攻撃から守るために設けた防御施設。軍事的構造物。とりで。

※正閏史料外編一‐建久三年（1192）六月三日・前右大将家政所下文「件島者、平氏知盛卿謀反之時、搆_二城郭_一所_二居住_一也」

※平家（１３Ｃ前）一「うしろは三井寺につづいてゆゆしき城にてぞありける」 〔周礼‐夏官・量人〕

③ 城とそれをとりまく外がこい。

④ 市街地。中国の市街は城郭に囲まれていたところからいう。

※六如庵詩鈔‐二編（1797）六・峨山蕈歌「千担万担走_二城郭_一、恐霎時膚都皴」

⑤ (形動) ＝じょうかく（定格）①

※春雨文庫（1876‐82）〈松村春輔〉三「内へ使を贈越(よこす)ことはならないの、人の前で此身の噂さもする㕝はならぬのと城廓(ジャウクヮク)なこと言って」

出典　精選版 日本国語大辞典