土地分類図(読み)とちぶんるいず

日本大百科全書(ニッポニカ) 「土地分類図」の意味・わかりやすい解説

土地分類図
とちぶんるいず

国土の開発、利用の高度化および保全などに資する目的で、その実態を総合的に調査し、全国的に統一した内容と精度をもって作成される地図。日本では、1951年(昭和26)の国土調査法に基づき、1954年から土地分類基本調査が開始され、縮尺5万分の1の地形分類図土壌図、表層地質図の作成がそれぞれ国土地理院、農業技術研究所(現、農業・食品産業技術総合研究機構)、地質調査所(現、産業技術総合研究所地質調査総合センター)で進められ、のちに各都道府県に引き継がれた。20万分の1の土地分類図は、1964年から1978年に国土庁(1974年に旧、経済企画庁から移管。現、国土交通省)により全国的に整備され、これを地方ブロック単位にまとめた『日本の自然と土地利用』(国土庁監修)が刊行された。

[五條英司]

『国土調査研究会編『土地・水情報の基礎と応用――国土の均衡ある発展と保全に向けて』(1992・古今書院)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「土地分類図」の意味・わかりやすい解説

土地分類図
とちぶんるいず
land classification map

土地の地形土壌,地質,植生,土地利用などについての自然的要素の組み合わせによって等質的な地域に分類した主題図。国土調査法 (昭和 26年法律 180号) による土地分類調査に基づいて作成しており,地形分類図,土壌分類図,表層地質図,土地利用図,土地分級図で構成されている。5万分の1,20万分の1,50万分の1の縮尺のシリーズがあり,20万分の1と 50万分の1は国土全域にわたって作成された。地形分類図は地形の形態,生成,性質などによって,土壌分類図は土性,土壌の物理的化学的性質などによって,表層地質図は地質分布,岩相岩石の硬さなどによって,土地利用図は土地利用状況によって,土地分級図は,以上の調査成果の総合として土地の農林業生産性によってそれぞれ分類されている。

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