精度
せいど
物差しや計器、測定方法や測定結果の正確さで、数値で表される度合い。精度の表し方にはいろいろあって、分野により異なる。物差しの精度は普通、その物差しで読み取れる最小の値で表すが、物差しで物の長さを計るときの精度は測定値の偏りを用い、その偏りが小さい程度を正確さという。計器などの場合は、一定の条件のもとでその計器を用いて測定をしたときに、避けられない誤差の最大値を用いる。この場合、精度を数量的に表すのに、最大誤差の値を用いる場合と、その測定される量に対する百分率を用いる場合とがある。同一製品の多数個の測定または同一物や事象の多数回測定の精度は、統計的に求めた標準偏差を用いて表す。
計測学においては日本工業規格(JIS(ジス))「計測用語:JIS Z 8103」で、精度(accuracy)を「測定結果の正確さと精密さを含めた、測定量の真の値との一致の度合い」と定義し、正確さを「かたよりの小さい程度」、精密さを「ばらつきの小さい程度」としている。一方、統計用語では精度を、ばらつきの程度を表すprecisionの意味で採用している。
[小泉袈裟勝・今井秀孝]
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精度
情報検索システムにおいて,ある情報要求あるいは検索質問に応じて検索を行ったとき,検索された情報に含まれる適合情報の割合.どれだけノイズが少ない検索ができたかを示しており,再現率とともに,Aslibによるクランフィールド研究プロジェクト(Aslib Cranfield Research Project)で生まれた適合性に基づく評価尺度である.当初,適合率と呼ばれていたが,適合性と区別するために現在は精度が使われることが多い.再現率と精度は一般的には反比例の関係にあるため,再現率をあげるために検索結果を増やすと精度はさがることになる.このため,総合的に評価するための指標として,重み付け調和平均であるF値(F尺度)が用いられることが多い.また,順位付き検索結果を評価する際,適合文書が検索された時点での精度の平均値に基づく評価指標である平均精度もよく用いられる.
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精度
せいど
accuracy
測定または理論的推定や近似計算によって得られた値の正確さ (測定に際しては,測定値のかたよりの小ささの程度) と,精密さ (測定対象のばらつき度) を合せたものを精度という。このほか測定器を用いて測定したとき,避けられない最大誤差のことを精度という言葉で表現することもある。このため,一般に精度は最大誤差の値そのものか,その値の被測定量に対する百分率で示される場合が多い。測定によって真の値を知る手段は実際上ないから,確率的な扱いをする必要がある。
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せい‐ど【精度】
〘名〙 精密さ、正確さの程度。また、その程度が高いこと。仕上がりや測定値などの、誤差が小さい度合。また、機械などの運動が、期待される数学的関係をよく満足する度合のこと。
※
歩兵操典(1928)第四六三「弾著観測の難易及銃の精度等に依り定むべきものとす」
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精度【せいど】
正確度および精密度。前者は誤差(測定値と真の値との差)の真の値に対する比,後者は同じ量を何回も測定したときの測定値のばらつきの大小。多くは前者の意に用いる。
→関連項目計器
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デジタル大辞泉
「精度」の意味・読み・例文・類語
せい‐ど【精度】
測定する際や、また、器械などの正確さ・精密さの度合い。また、仕事などの正確さの度合い。「精度の高い時計」
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出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報
せいど【精度 accuracy】
計測器または測定法の正確さと精密さを含めた総合的なよさをいい,制御または加工機器,方法に適用することもある。計測器の表す値(表示値),あるいは測定によって得られる値(測定値)にはさまざまな誤差が含まれるため,真の値を厳密に正しく求めることは困難である。一定条件下で測定を繰り返したとき,表示値あるいは測定値はある分布に従ったばらつきを示し,またその分布の平均値も真の値に対して多少の偏りをもつのがふつうである。
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