唐荷島(読み)からにしま

精選版 日本国語大辞典 「唐荷島」の意味・読み・例文・類語

からに‐しま【唐荷島】

(「からにのしま」とも。「播磨風土記」に、韓(から)人が漂着したことによるとある) 兵庫県御津町、室津港沖にある小島。地ノ唐荷、中ノ唐荷、沖ノ唐荷の三島から成る。瀬戸内海国立公園一部。辛味島。辛荷島。韓荷島。歌枕
万葉(8C後)六・九四三「玉藻刈る辛荷乃島(からにノしま)に嶋廻する鵜にしもあれや家思はざらむ」

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「唐荷島」の意味・わかりやすい解説

唐荷島
からにしま

兵庫県南西部、たつの市に属す無人島。唐味(からみ)島ともいい、室津(むろつ)の沖合いに並ぶ三つの島、地の唐荷島、中の唐荷島、沖の唐荷島の総称。『播磨国風土記(はりまのくにふどき)』に、韓人(からびと)の船が難破して、その荷がこの島に流れ着いたので韓荷島と名づけたとある。『万葉集』では辛荷島と詠まれ、山部赤人の「玉藻(たまも)刈る辛荷の島に島廻(しまみ)する鵜(う)にしもあれや家念(おも)はざらむ」の歌で知られる。

大槻 守]

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デジタル大辞泉プラス 「唐荷島」の解説

唐荷島(からにのしま)

兵庫県たつの市、室津の南方に位置する無人島。3つの島からなり、本土側から順に「地ノ唐荷島」「中ノ唐荷島」「沖ノ唐荷島」と呼ばれる。

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