吹抜(読み)ふきぬく

精選版 日本国語大辞典 「吹抜」の意味・読み・例文・類語

ふき‐ぬ・く【吹抜】

〘他カ四〙
① 風が激しく吹きつけて、木や物を吹き倒す。
平家(13C前)三「辻風おびたたしう吹て〈略〉棟門平門を吹ぬきて」
金貨に混じっている銀、銀貨に混じっている銅を抜きとって、貨幣を純化する。
政談(1727頃)二「当時元祿金銀を吹抜きて性は美(よ)く成たれども、銭の直段元祿と替らねば」

ふき‐ぬけ【吹抜】

〘名〙
① さえぎるものがなく、風が自由に吹き通ること。また、その所。吹きはらい。
※歌舞伎・四天王産湯玉川(1818)三立「ふきぬけの堂だもの」
② 特に、建物内部で、天井をなくして上下階をひと続きにした構造
※新版大東京案内(1929)〈今和次郎〉東京の顔「八層楼のアメリカ式建築で、中央に最上階迄吹きぬけの大広間があり」

ふき‐ぬ・ける【吹抜】

〘自カ下一〙 ふきぬ・く 〘自カ下二〙 風が吹いて通り過ぎる。
二百十日(1906)〈夏目漱石〉二「秋風が、袖口からすうと這入って、素肌を臍のあたり迄吹き抜けた」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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