普及版 字通 「吹(漢字)」の読み・字形・画数・意味
吹
常用漢字 7画
[字訓] ふく
[説文解字]
[甲骨文]
[金文]
[字形] 会意
口+欠(けん)。〔説文〕口部二上に「(うそぶ)くなり」、また欠部八下に「气を出だすなり」とあって、重出。卜文には口を開いて息を吹く人の側身形に作り、象形。金文はその形にまた(さい)を加えており、は祝や詛盟を収める器の象。これを吹くのは、その呪能を妨げるための呪的な行為と考えられる。欠部の字には、歇・款・欲・歌・歐(欧)など、古代の呪儀に関する字が多い。
[訓義]
1. ふく、ふきかける、息をふきかける。
2. 風がふく、ふき動かす、かぜ。
3. 楽器をふく、ふきならす、吹奏の器。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕吹 カゼ・カシク・フク・アフク・フヱ・サムシ 〔立〕吹 フク・ククム・アフク・フエ・サムシ・カゼ・カシク
[声系]
〔説文〕十上に炊を「爨(かし)ぐなり」とし、吹の省声とするが、吹が祝告の器を吹く象であるように、炊は火を吹く象であろう。また龠(やく)字条二下に炊声の字を録するが、これも龠を吹く象の字であろう。
[語系]
吹・thjiuaiは同声。〔詩、小雅、何人斯〕に「伯氏(くん)を吹き 仲氏(ち)を吹く」の下句に「此の三物を出だして 以て爾(なんぢ)を詛(のろ)ふ」とあり、ものを吹くことは、呪詛的な意味をもつことがあった。
[熟語]
吹雲▶・吹角▶・吹楽▶・吹▶・吹管▶・吹気▶・吹起▶・吹器▶・吹▶・吹牛▶・吹▶・吹挙▶・吹吁▶・吹▶・吹煦▶・吹▶・吹呼▶・吹沙▶・吹散▶・吹指▶・吹簫▶・吹脣▶・吹雪▶・吹扇▶・吹奏▶・吹▶・吹断▶・吹弾▶・吹竹▶・吹笛▶・吹灯▶・吹筒▶・吹簸▶・吹万▶・吹皮▶・吹面▶・吹毛▶・吹葉▶・吹螺▶・吹綸▶
[下接語]
蛙吹・笳吹・歌吹・角吹・管吹・騎吹・虚吹・魚吹・暁吹・軽吹・孤吹・鼓吹・徐吹・簫吹・声吹・清吹・奏吹・長吹・洞吹・鐃吹・万吹・晩吹・風吹・暮吹・鳳吹・遥吹・濫吹・霊吹
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報