吉見町(読み)よしみまち

日本歴史地名大系 「吉見町」の解説

吉見町
よしみまち

面積:三八・六七平方キロ

東松山市によって東西に分断された比企郡のうち、東部の北半を占める。東は荒川を隔てて北本市・鴻巣市・北足立郡吹上ふきあげ町、西は東松山市、南は市野いちの川を隔てて川島かわじま町、北は大里郡大里村に接する。町の中央を県道東松山―鴻巣線が横断、大里村―当町―川島町を結ぶ大里・比企広域農道が同じく町の中央を縦断している。北西部比企丘陵東端にあたる丘陵地で、吉見丘陵ともよばれる。標高は三〇―八五メートル前後で、北が高く、南・東に向かって低くなる。丘陵内は谷が広く発達、各谷の低地への出口には溜池がつくられている。一方、中央部・東部・南部は荒川水系の河川によってつくられた沖積低地で、標高は一五メートル前後である。この低地では旧河川の流路跡と自然堤防が目立ち、自然堤防上に集落、集落の後背地に水田が発達している。なお吉見丘陵は近年土砂の採掘が盛んで丘陵地形も変わってきている。古代には町域のほぼ全域が横見よこみ郡に属していたと考えられる。同郡は平安中期以降は吉見郡とよばれるようになったが、正保郷帳・正保国絵図作成時までに旧に復し、再び横見郡と称されることとなった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「吉見町」の意味・わかりやすい解説

吉見〔町〕
よしみ

埼玉県中部,荒川と支流市野川の間にある町。 1954年東吉見,西吉見,南吉見,北吉見の4村が合体して吉見村となり,72年町制。鴻巣市と東松山市の間にあり,東部は荒川沖積地で米作が行われ,イチゴの特産地でもある。西部は比企丘陵で,近郊野菜栽培が行われる。丘陵斜面に吉見百穴,黒岩の横穴古墳,丘陵上には松山城跡,吉見観音,八丁湖などがあり,比企丘陵県立自然公園に属する。吉見百穴 (史跡) のヒカリゴケ発生地は天然記念物。近年,丘陵部に工業団地や住宅団地が建設され,都市化が進んでいる。面積 38.64km2。人口 1万8192(2020)。

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