古津八幡山遺跡(読み)ふるつはちまんやまいせき

日本歴史地名大系 「古津八幡山遺跡」の解説

古津八幡山遺跡
ふるつはちまんやまいせき

[現在地名]新潟市古津・金津

新潟平野の東縁、信濃川右岸に沿って伸びる新津にいつ丘陵上に位置し、支丘陵(通称金津丘陵)の北半の尾根を中心に遺構群が分布する。高速自動車道建設の土取計画のため、平成二年(一九九〇)から新津市教育委員会(当時)が本調査を実施した。弥生時代から古墳時代の重要な遺構群が明らかになり、遺跡の保存運動が活発に展開され、保存を目的とした遺構分布調査が平成一六年まで続けられた。

当遺跡は日本海側北端に位置する、最大規模の高地性環濠集落である。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

国指定史跡ガイド 「古津八幡山遺跡」の解説

ふるつはちまんやまいせき【古津八幡山遺跡】


新潟県新潟市秋葉区古津にある弥生時代から古代にかけての複合遺跡。信濃川と阿賀野川によって形成された新潟平野に突き出た新津丘陵北西端の、標高約15~55mの丘陵上に立地する。集落は南北に延びる尾根頂上部と北東向き緩斜面を中心に展開しており、北半部は2重の環濠、南半部は尾根を断ち切る濠・溝によって画されている。出土土器では北陸系、東北系、両者折衷の在地系の3系統が共存し、この地域が北陸系・東北系分布圏の縁辺にあたることや、日本海や阿賀野川を介した北陸地方中西部、東北会津地方とのつながりを示唆しており、新潟平野における弥生時代後期の集落の様相や他地域との交流の実態を示していることから、2005年(平成17)に国の史跡に指定された。JR信越本線古津駅から徒歩約10分。

出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報