口腔乾燥症改善剤(読み)コウクウカンソウショウカイゼンザイ

病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版 「口腔乾燥症改善剤」の解説

口腔乾燥症改善剤

製品名
《セビメリン塩酸塩水和物製剤》
エボザック(第一三共)
サリグレン(日本化薬)
《ピロカルピン塩酸塩製剤》
サラジェン(キッセイ薬品工業

 セビメリン塩酸塩水和物製剤唾液腺だえきせん細胞のムスカリン受容体に結合して作用し、シェーグレン症候群の人の口腔乾燥症を改善する薬です。ピロカルピン塩酸塩製剤唾液腺内のムスカリン受容体を刺激することにより唾液分泌を促進し、シェーグレン症候群のほかに、頭頸部の放射線治療に伴う口腔乾燥症状も改善する薬です。


 セビメリン塩酸塩水和物製剤は、間質性肺炎の悪化、ピロカルピン塩酸塩製剤では、間質性肺炎、失神、意識消失がおこることがあります。このようなときには使用を中止し、すぐに医師に報告してください。


 セビメリン塩酸塩水和物製剤は、吐き気腹痛下痢、食欲不振、唾液腺の痛みやれ、心悸亢進しんきこうしん頻尿ひんにょう、多汗、頭痛、胸痛倦怠感けんたいかん、心電図異常、肝・じん機能異常などが現れることがあります。


 ピロカルピン塩酸塩製剤では、頭痛、めまい、ねむけ、下痢、嘔吐、消化不良、便秘、胃腸不快、腹部膨満感、口内炎、鼻炎、血液障害、排尿障害発疹ほっしん、流涙、視力異常、耳鳴り、ほてり、トリグリセリド上昇、悪寒などが現れることがあります。


 このような症状が現れたときは、医師に相談してください。


セビメリン塩酸塩水和物製剤カプセルで、ピロカルピン塩酸塩製剤錠剤です。1日3回、食後服用が原則です。医師・薬剤師の指示を守ってください。


②あらかじめ問診の際に、持病・アレルギーなどの体質・現在使用中の薬の有無などを医師に報告してください。


 とくに、重い虚血性心疾患、気管支喘息ぜんそくや慢性閉塞性へいそくせい肺疾患、消化管及び膀胱頸部ぼうこうけいぶ閉塞てんかんパーキンソン病虹彩炎こうさいえんのある人には使用できません。必ず医師にその旨を報告してください。


高度の唾液腺腫脹しゅちょうや唾液腺痛、間質性肺炎、膵炎すいえん、過敏性腸症候群、消化性潰瘍かいよう胆嚢たんのう障害、胆石尿路結石腎結石前立腺肥大に伴う排尿障害、甲状腺機能亢進症こうじょうせんきのうこうしんしょう、全身性進行性硬化症、肝・腎障害のある人、妊婦、現在妊娠する可能性のある人、またピロカルピン塩酸塩製剤では、この薬で過敏症状をおこしたことのある人、迷走神経緊張症のある人などは、使用できないことがあります。医師に報告してください。


④この薬を使用中に、ほかの薬を使用する必要が生じたときには、必ず医師に相談してください。


縮瞳しゅくどうをおこすおそれがあるため、自動車の運転、暗いところでの機械の操作などには注意してください。


 また使用中に過度に発汗し、十分な水分補給ができない場合には脱水症状を招くことがあるので、このようなときは医師に相談してください。

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