普及版 字通 「卜(漢字)」の読み・字形・画数・意味
卜
人名用漢字 2画
[字訓] うらなう・うらかた
[説文解字]
[甲骨文]
[金文]
[字形] 象形
獣骨や亀版を(や)いて、そのひびわれによって吉凶を卜うことをいう。卜はそのひびわれの形。〔説文〕三下に「龜をいて剝ぐなり。龜を灸(や)くの形に象る。一に曰く、龜兆の從なるに象るなり」という。卜するとき、まず縦長に鑽(さん)とよばれる穴を掘り、横に円形の穴を作って、その部分をくと、鑽の部分には縦、いた部分には横に走る線が、その表面にあらわれる。その横の線が卜兆、縦横合わせて卜の形となる。殷虚小屯出土の大版には、百鑽前後にも卜迹を存するものがある。わが国の対馬に伝えられている古法については、伴信友の〔正卜考〕に詳しい記述がある。卜の音は、卜兆を生ずるとき、破裂する音をとるものであろう。
[訓義]
1. うらなう。
2. うらかた、しめす。
3. えらぶ、卜してえらぶ。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕卜 ウラナフ・シム 〔立〕卜 シメス・シム・ウラナフ
[部首]
〔説文〕に卦・(けい)・貞・(かい)・占・(ちよう)など七字を属し、〔玉〕は別に兆部を立ててをその部に移している。貞はもと鼎に従う字で、わが国の探湯(くかたち)のように、鼎によって卜するものであった。卜辞では卜うことを「貞(と)ふ」といい、古く探湯の法があったことが知られる。合わせて貞卜という。
[声系]
〔説文〕に卜声として赴・・攴・朴・仆の五字を収める。攴・朴はものをうつ音、他は走り頓(つまず)く音である。
[語系]
卜pok、仆phiokは声近く、音に緩急がある。仆は(覆)phiuk、bkと近く、つまずいてたおれる音で、同じ系列の語である。
[熟語]
卜揆▶・卜亀▶・卜居▶・卜稽▶・卜工▶・卜▶・卜巧▶・卜歳▶・卜妻▶・卜肆▶・卜師▶・卜辞▶・卜室▶・卜日▶・卜者▶・卜祝▶・卜人▶・卜正▶・卜筮▶・卜占▶・卜銭▶・卜宅▶・卜択▶・卜地▶・卜年▶・卜鳳▶・卜名▶・卜問▶・卜隣▶・卜老▶
[下接語]
易卜・観卜・亀卜・吉卜・献卜・虎卜・筮卜・占卜・貞卜・売卜・枚卜・穆卜・夢卜
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報