北海道紀行(読み)ほつかいどうきこう

日本歴史地名大系 「北海道紀行」の解説

北海道紀行
ほつかいどうきこう

一冊 吉田健作著 明治一六年刊

解説 内務省属の著者が官命によって明治一五年六―九月北海道を巡視した時の日記をまとめ、文人政治家末松謙澄の序文を得て刊行。吉田はフランスで亜麻の製造法を学び、のち北海道製麻事業の創始者となる。旅行は函館から札幌本道を通って札幌に至り、さらに日高から十勝を抜けて根室斜里網走宗谷と回り、西海岸を南下し、小樽・札幌をへて余市岩内寿都と続き、寿都から乗船して函館にもどる。各地の土地柄や産業の状況を詳述。途中、巡回中の農商務卿西郷従道の一行と二、三度遭遇し同道もしたが、大半は乗馬で陸行し、三県時代道内の実情をよく伝える。「新しい道史」六四―六六。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報