割切(読み)わりきれる

精選版 日本国語大辞典 「割切」の意味・読み・例文・類語

わり‐き・れる【割切】

〘自ラ下一〙 わりき・る 〘自ラ下二〙
割り算で、端数を出さないで割れる。
星座(1922)〈有島武郎〉「大きな数が見事に割り切れた時のやうなあのすがすがしい気持
一定原則にあてはまり、納得できる。了解して気持がすっきりする。ふつう下に打消を伴って用いる。
吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉二「吾輩の主人を評して君は割り切れない男だといった」
③ 薪(まき)などを、予定の分だけ全部割る。割り終わる。
※少年行(1907)〈中村星湖〉一三「馬鹿アこけ、まだ割り切れないわ」

わり‐き・る【割切】

[1] 〘他ラ五(四)〙
① 割り算で端数を出さずに割る。
② 一定の原則に従って物事結論をきっぱりと出す。また、感情思惑による動揺を断ち切って理性的な判断を優先させる。
※古川ロッパ日記‐昭和一一年(1936)三月二一日「ハッキリと、割り切った演技をしてゐる」
※日の果て(1947)〈梅崎春生〉「何もかも自分の判断で割切りそして行動してゐる」
[2] 〘自ラ下二〙 ⇒わりきれる(割切)

さき‐き・る【割切】

〘他ラ四〙 さいて切る。刃物などで、一つのものを二つにする。
※法華義疏長保四年点(1002)二「仏、阿難に勅して、割截(サキキリ)袈裟に作らしめたまふらく耳(のみ)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android