剥・折(読み)へぐ

精選版 日本国語大辞典 「剥・折」の意味・読み・例文・類語

へ・ぐ【剥・折】

[1] 〘他ガ五(四)〙
① 板のように薄くけずる。また、はりあわせたものなどをはがす。へがす。そぎとる。
※大智度論天安二年点(858)六六「重物を披(ヘキ)(さき)て軽ら令むるがごとく」
※俳諧・嵯峨日記(1691)「五月雨色紙へぎたる壁の跡」
② 物の量などを少し減らす。少なくする。へす。へずる。
書紀(720)持統六年五月(北野本訓)「其の二つの神郡より輸すべき、赤き引糸(ひきのいと)、参拾伍斤、来年(こむとし)より、当に其の代を折(ヘク)べし」
着物などを脱ぐ。
たまきはる(1219)「一日の日のきぬなどを、もののぐへきて着る」
④ 他人の持物などをすばやく盗み取る。横取りする。
仮名草子浮世物語(1665頃)一「馬飼の者それを皆耗(ヘギ)て己が徳とし」
[2] 〘自ガ下二〙 ⇒へげる(剥)

へが・れる【剥・折】

〘自ラ下一〙 へが・る 〘自ラ下二〙
① はがれる。むける。
② 少なくなる。薄くなる。
源氏(1001‐14頃)明石「御ぐしの少しへかれたるしもいみじうめでたきを」

へが・る【剥・折】

〘自ラ下二〙 ⇒へがれる(剥)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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