入山峠(読み)いりやまとうげ

日本歴史地名大系 「入山峠」の解説

入山峠
いりやまとうげ

標高一〇三八メートル。現軽井沢かるいざわ境新田さかいしんでんと群馬県碓氷松井田まついだ町入山との間にある。長野県・群馬県の両県境をなしている。現在は昭和四六年(一九七一)に開通した碓氷うすいバイパスが通過している。

横川よこかわ(現群馬県松井田町)から入山川の渓谷を登りつめて峠に出ると、信濃の高原が一面に開け、噴煙をたなびかせた浅間山(二五四二メートル)が立ちはだかる。昭和三〇年、この辺りから多数の石製模造祭器が出土して、ここが古代の碓氷坂であることが確かめられた(→碓氷峠

中世北方約七キロメートルにあるより険阻な道筋に碓氷峠が移って以来、この峠は一時歴史の表面から消えるが、碓氷峠の道が中山道となるや、入山峠道は、南方約三キロメートルにある和美わみ(現軽井沢町、群馬県甘楽郡下仁田町)とともに、中馬道としての役割を果すようになる。

入山峠
いりやまとうげ

群馬県と長野県の境に位置し、碓氷バイパス有料道路で松井田町入山から長野県北佐久きたさく軽井沢かるいざわ町に通ずる。標高一〇三八メートル。上野国と信濃国を結ぶ道は東山道の時代には入山峠を通っており、当時の碓氷坂とは当地をさすといわれている(→碓氷峠。中世には信州へ越える主道は北方の碓氷峠(現在の大字峠)に移ったが、近世には碓氷峠を越える中山道の裏街道として入山道が賑った。入山道は横川よこかわ碓氷関所と坂本さかもと宿の間に位置するはら村から分れ、遠入とおいり川をさかのぼって入山峠を越え、借宿かりやど(現軽井沢町)で中山道に合流する道と、発地ほつち(現同上)面替おもがい(現御代田町)などを通って岩村田いわむらだ宿(現佐久市)で合流する日影ひかげ通があった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報