傷(漢字)

普及版 字通 「傷(漢字)」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 13画

[字音] ショウ(シャウ)
[字訓] きず・やぶる・いたむ・そしる

[説文解字]

[字形] 形声
声符は(しよう)。は昜(よう)(陽)の上を覆う形。昜は台上に玉(日の形)をおき、その玉光が下方に放射する意。魂振りとしての呪儀を示すものとみられる。これを上から覆って、その呪儀を妨げることをといい、そのような害を人に及ぼすことを傷といい、殤という。〔説文八上に「創(きず)なり」というのは槍傷。〔説文〕はまた字を(しよう)の省声とするが、は矢傷。ともにの声義を承ける。

[訓義]
1. そこなう、呪儀によって人体に損傷を与える。
2. きず、きずつける、きずつく、刀や矢できずつける、やぶる。
3. いたむ、やむ、なやむ。
4. そしる、うったえる。
5. 心がいたむ、うれえる、あわれむ。
6. 殤と通じ、わかじに。

[古辞書の訓]
名義抄〕傷 イタム・カブル・ソコナフ・キヅツク・オモフ・オモホフ・ニクム・キズ・ヒハル・アトフ・ヲシム・マレカ

[部首]
〔説文〕にを収めず、觴・殤・傷・慯の各条にの省声とするが、はこの声系の原字ではない。昜は陽の初文で、台上の陽光の放射する形。玉による魂振り儀礼。これを覆うのは、勝社(亡国の社)に屋するのと同じく、弔葬の礼を意味するものであろう。〔説文〕は昜をも勿(ふつ)部九下に属し、「開くなり」と訓し、陽との関係に言及していない。

[声系]
〔説文〕にを収めないが、觴・殤・傷・慯などみな声。觴のほかは、みなの声義を承ける字である。

[語系]
傷・殤・・慯sjiangはみな同声。また創・瘡・愴tshiangと声近く、傷はのち創傷の意となった。倉には傷害の意はなく、おそらくtshiangと同声、創はの形声字であろう。

[熟語]
傷哀傷夷傷痍・傷化傷禾・傷稼・傷悔・傷懐・傷害・傷寒・傷旱・傷陥・傷感・傷毀・傷泣・傷苦・傷懼・傷形・傷蹶・傷枯・傷国・傷穀・傷魂傷痕・傷嗟・傷摧・傷財・傷殺・傷惨・傷残・傷疾・傷酒・傷春・傷暑・傷情・傷食傷心・傷身・傷瘁・傷逝・傷生・傷沮・傷愴・傷惻・傷俗・傷損・傷嘆・傷墜・傷痛・傷涕・傷詆・傷傷悼・傷慟・傷破・傷敗・傷伐・傷煩・傷瘢・傷悲傷病・傷愍・傷憫・傷風・傷暮・傷乱
[下接語]
哀傷・夷傷・懐傷・外傷・害傷・咸傷・毀傷・軽傷・撃傷・咬傷・挫傷殺傷・惨傷・刺傷死傷・愁傷・重傷・暑傷・食傷・心傷・身傷・悽傷・戦傷・創傷・賊傷・損傷・嘆傷・中傷・傷・凍傷・内傷・敗傷・悲傷・微傷・扶傷・負傷・謗傷・憂傷・烈傷・裂傷

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報