代え名(読み)かえな

精選版 日本国語大辞典 「代え名」の意味・読み・例文・類語

かえ‐なかへ‥【代名・替名】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 本名にかえて用いる名。変名。また、変名を用いること。
    1. [初出の実例]「かくし忍んでかくし文(ぶみ)、かへ字、かへ名のやつし書(が)き」(出典:浄瑠璃・賀古教信七墓廻(1714頃)五)
  3. 特に遊里で、客の本名を呼ばないで、姓・名の一字、あるいはその客に縁のある事物などによって呼ぶ名。また、遊女呼名にも用いた。
    1. [初出の実例]「男の名にても、我かへ名(ナ)にても、片仮名にて書事くるしからず」(出典:評判記・色道大鏡(1678)九)
  4. 芝居で、俳優のふんする役名。
    1. [初出の実例]「尤三番続の替名(カヘナ)を、中(ちう)だめにてよくのべられ」(出典:評判記・役者口三味線(1699)京)
  5. 和歌連歌の会で用いる仮の名。
  6. 普通と異なった名称。または、別のいい方。異称別称
    1. [初出の実例]「婦女郎(おいらん)御亭様(ごてさん)替名(カヘナ)あれば、茶屋女房一流(いちとう)伯母様(おばさん)と呼ぶ」(出典:洒落本辰巳之園(1770)自序)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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