仁(哲学)(読み)じん

百科事典マイペディア 「仁(哲学)」の意味・わかりやすい解説

仁(哲学)【じん】

儒教徳目の中で最高位にあるものであるが,その内容や定義経典にもはっきりとは書かれていない。《書経》《詩経》《易経》にも仁の語はみえ,《論語》には100回以上使用されている。各書におけるおもな規定,すなわち〈己(おのれ)に克(か)ち礼を復(おさ)む〉〈博く愛す〉(《論語》),〈愛なり〉(《墨子》),〈仁は人心なり〉(《孟子》)などから推せば,対人関係において博愛福利の理想を達成することといえようが,孟子が義を仁と同等視して〈仁義の道〉を説くことに見えるように,社会性を重視する契機も無視できない。
→関連項目顔回兼愛説

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android