岡山・鳥取県境の人形峠ウラン鉱床で発見され,1959年に記載された新種のウラン鉱物。理想化学組成(U4⁺,Ca,Ce)2(PO4)2・1~2H2O。斜方(擬六方)晶系。比重3.2~3.5。5μm以下の菱形,短冊形の微晶として砂岩・レキ岩層中の空隙を埋め,あるいは鉱染状に産出する。透過光による顕微鏡観察では淡緑色透明であるが,微粒の黄鉄鉱,白鉄鉱,セッコウ,有機物と密雑共生するため,肉眼では黒色すす状,霜柱状に見える。人形峠および周辺の鉱床の非酸化帯ではウランの主要鉱石鉱物となっている。微細で同定が難しく世界的に希産とされてきたが,1981年,カナダのブリティッシュ・コロンビア州で同様の産状が確認された。
執筆者:坂巻 幸雄
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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