乳母車(読み)ウバグルマ

デジタル大辞泉 「乳母車」の意味・読み・例文・類語

うば‐ぐるま【乳母車】

乳幼児を乗せて押して歩く四輪手押し車

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精選版 日本国語大辞典 「乳母車」の意味・読み・例文・類語

うば‐ぐるま【乳母車】

〘名〙 (乳母の代わりをつとめる車の意) 乳幼児などを乗せて歩く、手押し四輪車
風俗画報‐七六号(1894)人事門「小児載せし乳母車は五六年此かたの流行物なるを押して行けば」

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「乳母車」の意味・わかりやすい解説

乳母車
うばぐるま

乳幼児を乗せる手押しの車。わが国では乳母車といったり、ベビーカー(和製英語)といったりしているが、ヨーロッパでは、乳母車perambulator(pramと略す)と、わが国でいうベビーカーとははっきり分けられ、ベビーカーに相当するものはpush chairとかfolderとよばれる。またアメリカでは普通baby carriageといわれている。乳母車は、細い木、グラスファイバー、金属製などの箱形のものが車上に取り付けられた比較的大形のもので、ときには上部の箱形のものが分離できるようなものをさす。おもに寝かせたり、座らせたりして使い、新生児から使用できる。これに対してベビーカーは、軽便な椅子(いす)式の車で、車体から座席部分を取り外すことができたり、折り畳むことができる。腰掛けの姿勢で使われるため、生後3、4か月ごろから使用するのが望ましい。

 そのほか、乳母車兼用車という、乳母車として使用後、上部の箱形のものを取り除いてベビーカーとして使用できるものや、三輪車兼用車とよばれ、ベビーカーとして使用したあと、三輪車に利用できるものなどがある。また形式的には、母親子供が向かい合った対面式のものもある。なお、乳母車は1848年、アメリカのチャールズ・バートンCharles Bartonが最初につくったといわれ、木製二輪車だった。日本には1879年(明治12)ごろ、木製のものが輸入され、改良されて今日の形になった。

[山崖俊子]

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改訂新版 世界大百科事典 「乳母車」の意味・わかりやすい解説

乳母車 (うばぐるま)

乳幼児を乗せてはこぶ手押車。1848年にニューヨークのチャールズ・バートンがつくったのが最初とみられ,当時は歩道通行人に突きあたるというので評判が悪かった。バートンはのちイギリスに移って工場をつくり,ビクトリア女王やスペインのイサベル女王などから注文をうけ,一般にもひろまった。初期のものは木製の二輪車で1本の長い柄がつき,前部の支柱で車が前に傾かないようになっていた。日本には1879年ころに移入されたが,木製の簡単なものであった。そののち座席の構造とともに車の震動を少なくするよう改良が加えられ,車台にスプリングをとりつけたり,箱を釣床式につったものが考案された。型は箱型や船型のほか,腰掛式や,携帯に便利な折畳式のものもあり,ふつう日よけの母衣(ほろ)をつける。子どもを入れる箱は古くはトウ(籐)製や金属製であったが,現在は防水布やビニル張りのものなど種類が多い。
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デジタル大辞泉プラス 「乳母車」の解説

乳母車

1956年公開の日本映画。監督:田坂具隆、原作:石坂洋次郎による同名小説、脚色:沢村勉、撮影:伊佐山三郎。出演:宇野重吉、山根寿子、芦川いづみ、新珠三千代、石原裕次郎、森京子、杉幸彦ほか。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「乳母車」の意味・わかりやすい解説

乳母車
うばぐるま

ベビーカー」のページをご覧ください。

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