中津川宿(読み)なかつがわしゆく

日本歴史地名大系 「中津川宿」の解説

中津川宿
なかつがわしゆく

[現在地名]中津川市本町一―四丁目・新町・太田町一丁目・東町

西は木曾川に合流する川上かおれ(中津川)、東は上金うえがね台地を形成する河成段丘が宿並を囲んでいる。慶長六年(一六〇一)江戸幕府伝馬制が定められる以前からの宿場で、文禄二年(一五九三)常陸国佐竹家の家臣大和田重清が、中津川宿の通過を記述している(「大和田重清日記」米沢市立図書館蔵)。文久元年(一八六一)に書かれた万記(市岡文書)は、尾張御領山村甚兵衛知行所と記し、村高一千三三四石余のうち宿高は四八〇石余。元禄二年(一六八九)の宿人馬は馬五〇疋、有馬三九疋(うち弱馬九疋)・不足馬一一疋、人足五〇人。延宝三年(一六七五)の古来入用書付留帳(同文書)では宿並町間数は一〇町七間で、以後町並町間数に変化はない。宿内は四ッ目よつめ川を境に東西に分れ、西に問屋場二ヵ所、本陣・脇本陣各一軒のある宿場の中心の本町、東に商家の多い新町、淀川、茶屋坂と町並が続いた。本町の中央には井水が流れ、宿内を井水で分けまちまちとよんだ。西の町口近くの横町枡形があり、旧本陣跡裏に現存する郷倉は、枡形とともに当時の遺構の一つである。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の中津川宿の言及

【中津川[市]】より

…木曾川には恵那峡があり,川上(かおれ)には恵那文楽が伝わる。【高橋 百之】
[中津川宿]
 美濃国恵那郡の中山道宿駅。下の落合宿へ1里5町,上の大井宿へ2里半。…

※「中津川宿」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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