世界トイレの日(読み)せかいといれのひ(英語表記)world toilet day

日本大百科全書(ニッポニカ) 「世界トイレの日」の意味・わかりやすい解説

世界トイレの日
せかいといれのひ
world toilet day

11月19日。トイレにまつわるタブーを打破し、下水処理屋外排泄(はいせつ)の根絶など、多岐にわたる公衆衛生上の課題を提起して、その政策化を促進するために定められた日。世界的な公衆衛生運動に取り組むNGO非政府組織)世界トイレ機関(WTO:World Toilet Organization)が、2001年11月19日に設立されたことにちなむ。

 同機関は設立以来、世界トイレサミットを毎年開催するなど、トイレを中心とした衛生環境を改善するための活動を行っており、11月19日を世界トイレの日として、公衆衛生上の課題に取り組むことを呼びかけてきた。これにより、トイレにまつわる問題を考え、衛生習慣の普及を図るための催しが、世界各地で開かれる日になっている。こうした運動の広がりを受け、2013年7月の国連総会で、毎年11月19日を国連「世界トイレの日」とすることが、正式に定められた。

 国連児童基金ユニセフ)と世界保健機関WHO)が発表した報告書「衛生施設と飲料水の前進2013」によれば、2011年末の時点で、世界人口の3割を超える約25億人が衛生的なトイレを使用できない状態にあり、このうち、10億人あまりは屋外で排泄している。こうした状況が川や土地を介して病気を引き起こす原因ともなり、1日1600人もの5歳未満の子供下痢によって命を奪われていると、国連児童基金は推計している。

[編集部]

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