世を経（読み）よをふ

精選版 日本国語大辞典

よ【世】 を 経(ふ)

① 長い年月を経過する。

※古今（905‐914）雑上・九二九「風ふけどところもさらぬ白雲はよをへておつる水にぞありける〈凡河内躬恒〉」

② 一生にわたる。

※源氏（1001‐14頃）葵「よをへて、疎く恥づかしき物に思ひて、すぎはて給ひぬる」

③ 男女の情事を知る。世を知る。世に経(ふ)。

※伊勢物語（１０Ｃ前）一二〇「昔、男、女のまだ世へずと覚えたるが、人の御もとに忍びてもの聞えて」

④ 世を渡る。生活する。

※今昔（1120頃か）一一「其血を以て纐纈(こうけち)を染て結つつ、世を経る所を不知して」

出典　精選版 日本国語大辞典