三室山(読み)ミムロヤマ

デジタル大辞泉 「三室山」の意味・読み・例文・類語

みむろ‐やま【三室山】

兵庫・鳥取県境にある山。標高1358メートル。山麓一帯はスキー場
奈良県斑鳩いかるが町にある丘陵竜田川の下流域に位置し、古来紅葉の名所神奈備かんなび山。[歌枕
「影宿す月もしぐれて―秋風寒し葛の下露」〈新続古今・秋下〉

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日本歴史地名大系 「三室山」の解説

三室山
みむろやま

竜田たつた大社(本宮)西南、奈良県と大阪府の境界にあり、標高一三七・三メートル。「和州旧跡幽考」に「本宮より四町ばかり。三室は神の社をいへり。神楽註抄 三室山は神のいます山なり」とあり、「新勅撰集」の

<資料は省略されています>

の歌を載せている。この場合の竜田川は現在の竜田川(大和川支流)ではなく、大和川本流のことである。

竜田大社南の高山たかやま集落から三室山の北脚沿いに西進し、山頂から現大阪府の「とめしょの山」(二七六メートル)北側に出て稜線をゆく古道は、竜田越の一路とされている。

三室山
みむろやま

[現在地名]斑鳩町大字神南

斑鳩町西南部、竜田たつた川と大和川との合流地に臨む小丘陵で、神南じんなん集落の西北にある。古くは「神南山」(経覚私要鈔)とみえる。標高八二メートル。県立竜田公園の一部に含まれている。易林本「節用集」や「万葉集古義」などは、「万葉集」「古今集」の古歌にみえる竜田のカンナビの所在を神南の地に比定(三郷町の→三室山

「経覚私要鈔」長禄四年(一四六〇)一〇月一一日条には、古市春藤丸が片山弥九郎をして竜田たつた西口の合戦の様を報告させた記事がみえる。この竜田西口の合戦で畠山義就の先陣越智家国らが敗死し、川鍋山(河鍋山)においては誉田全宝・遊佐国助らも討死したことが知られる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「三室山」の意味・わかりやすい解説

三室山
みむろやま

兵庫県中西部宍粟市鳥取県南東部若桜町の境にある山。標高 1358m。玄武岩からなり5合目付近の緩斜面スキー場。中腹に青少年野外活動センターがあり,東麓の音水 (おんずい) ,赤西 (あかさい) はブナ,ミズナラの原生林で有名。音水ちくさ県立自然公園氷ノ山後山那岐山国定公園に属する。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「三室山」の意味・わかりやすい解説

三室山
みむろやま

兵庫県宍粟(しそう)市と鳥取県八頭(やず)郡若桜(わかさ)町の境界にある山。標高1358メートル。旧千種町地区では生台(しょうだい)ともいう。玄武岩からなり、千種川の支流河内(こうち)川流域は緩傾斜で、スキーやキャンプの適地。氷ノ山後山那岐山(ひょうのせんうしろやまなぎさん)国定公園の一部。

[二木敏篤]

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