神南村(読み)じんなんむら

日本歴史地名大系 「神南村」の解説

神南村
じんなんむら

[現在地名]斑鳩町大字神南・神南一丁目

三室みむろ山の東南竜田たつた川が大和川に合流する地点の北西に立地。村名は神南備かんなびを意味し、神南備山(現三室山)にちなむものである。「和名抄平群へぐり郡の坂戸郷の地。三箇院家抄(内閣文庫蔵大乗院文書)には「神南かうなん」と注し、三室山中腹に式内神岳かみおか神社が鎮座。「古今目録抄」や法隆寺別当次第の覚晴律師の項に「神南庄」「神南寺」とあり、平安末期の承安(一一七一―七五)頃には神南村落が存在していた。

元和郷帳による村高三四〇・〇六石、竜田(片桐且元)領。明暦元年(一六五五)幕府領編入、寛文五年(一六六五)楽人領となる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報