七所（読み）ナナトコロ

デジタル大辞泉

なな‐ところ【七所】

１ 七つの場所。7か所。
２ 「七所拵ごしらえ」の略。
「―の大脇指」〈浮・一代男・七〉

しち‐しょ【七所】

⇒山王七社さんのうしちしゃ

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

しち‐しょ【七所】

[1] 書院の七か所に台子(だいす)で茶器を飾ること。佐々木道誉に始まる。

※太平記（１４Ｃ後）三六「道誉又我宿所に七所を粧て、七番菜を調へ、七百種の課物を積み」

[2]

[一] 京都郊外にあった七か所の葬送地・墓地。鳥辺野・阿彌陀ヶ峰・新黒谷・船岡・西院・狐塚・金光寺の総称。

※俳諧・本朝文選（1706）一・辞類・鉢扣辞〈去来〉「かくて寒の中と、春秌の彼岸は、昼夜をわかず、都の外、七所の三昧をめぐりぬ」

[二] ＝さんのうしちしゃ（山王七社）

なな‐ところ【七所】

〘名〙

① 七か所。七つの場所。〔観智院本名義抄（1241）〕

② 江戸時代、結婚した女性が初鉄漿(はつかね)をつける時、その鉄漿をもらった七軒の家。

※雑俳・神酒の口（1775）「ちっくちっく七所にてもろふ鉄漿」

③ ＝ななところごしらえ（七所拵）

※浮世草子・好色一代男（1682）七「町人こしらえ七所の大脇指」

なな‐とこ【七所】

〘名〙 ＝ななところ（七所）

※雑俳・柳多留‐一四（1779）「七所(ななとコ)を見い見い渡る瀬田の橋」

出典　精選版 日本国語大辞典