レコード(英語表記)record

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「レコード」の意味・わかりやすい解説

レコード
record

円盤螺旋状音溝を刻み,再生できるようにした録音盤。「記録されたもの」の意。平円盤を回転させ,レコード針で音溝から音を拾う。1877年にトーマス・アルバ・エジソンが音を機械的に針先に与えて音波の形状を溝に切り込み,それをたどって音を再生する最初の蓄音機を発明。1887年には平円盤のレコードが発明された。1920年代前半に電気録音法が発明され,1948年には LP; long playingの出現により長時間録音が可能となった。1950年代後半には立体的に音楽を録音したステレオ・レコードが登場。その後これらのアナログ録音のレコードに対し,音声をパルス符号変調 PCM; pulse code modulation(→パルス変調)によってデジタル化した信号でカッティングした DAD(デジタルオーディオディスク)も開発され,その一つ CD(コンパクトディスク)が市販されている。レコードは音楽の普及に大いに貢献した一方,演奏記録をとどめることができ,演奏様式史のうえからも重要な役割を果たした。(→レコードプレーヤ

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図書館情報学用語辞典 第5版 「レコード」の解説

レコード

(1)ファイルまたはデータベースにおいて,ある既定の形式と内容を持つデータ項目フィールドの集まりで,一つの単位として扱われるもの.情報交換用MARCフォーマットに即していえば,外形式および内形式という一定のフォーマットに従い表現されたデータ要素の集合がMARCレコードである.レコード(論理レコード)は,ファイルまたはデータベースにおける,アクセスを含めた処理の単位となる.(2)塩化ビニールの円板に細い音溝を渦状に刻んで,音声・音楽などの音をアナログ信号として記録したもの.レコードプレーヤーによって再生される.毎分33回転3分の1の速度で直径30cmのLPレコード,毎分45回転で直径17cmのEPレコードドーナツ盤)などがある.

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精選版 日本国語大辞典 「レコード」の意味・読み・例文・類語

レコード

〘名〙 (record)
① 記録。登録。特に、陸上水上など各種競技の、その時点での最高記録。
※大阪朝日新聞‐明治三九年(1906)一一月一三日「世界騎乗界のレコードを破壊し去りたるは」
② (「記録されたもの」「録音されたもの」の意から) 音声、音楽演奏などを吹き込んだ音盤のこと。円盤の上に、外周から内周に向けて螺旋状に細溝を刻み、その変化により音の信号を機械的に記録したもの。ディスク。レコード盤。録音盤。音盤。
※あらくれ(1915)〈徳田秋声〉一〇九「蓄音器に、レコードを取りかへながら」
③ コンピュータのファイルで、論理的に情報を扱う際の最小単位。関連したいくつかの項目のデータをひとまとめにして一つのレコードとし、そのレコードを集めたものがファイルとなる。

レコード

(Robert Recorde ロバート━) ルネサンス期のイギリスの数学者、医者。算術書「諸芸の基礎」の中で+、-、=などの記号を使いはじめた。(一五一〇頃‐五八

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百科事典マイペディア 「レコード」の意味・わかりやすい解説

レコード

らせん状の音溝に録音した円盤。蓄音機により再生される。エジソンによりスズ箔(はく)円筒に音溝がつけられたのが最初で,のち厚紙に蝋(ろう)を塗った蝋管式が使用された。平円盤形レコードは1887年,E.バーリナーの発明により,第1次大戦を境に蝋管式と交替。電気吹込法の進歩によりSPレコードの時代を招き,第2次大戦後,LPレコードEPレコードが広く使用されるようになる。また従来のモノラル(単音)とは別にステレオ用のステレオレコードも製造されている。LPレコード,EPレコードは音溝を刻んだラッカー円盤から金型をとり,塩化ビニル等の円盤にプレスして造る。1980年代以後カセットテープコンパクトディスクにその地位を譲った。
→関連項目ソノシート録音

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デジタル大辞泉 「レコード」の意味・読み・例文・類語

レコード(record)

記録。特に、陸上や水泳などの競技の最高記録。「自己のもつレコードを更新する」「コースレコード
音楽などを録音した円盤。盤面に外から内側へと螺旋らせん状に音の信号を刻んだもの。プレーヤーで再生する。「レコードをかける」
コンピューターで、ファイルを構成する単位。フィールドが集まって1レコードをつくり、そのまとまったものがファイルになる。
[類語]最高最大最多最大限マキシマム

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DBM用語辞典 「レコード」の解説

レコード【record】

コンピュータ業界では、各個人の項目から構成された一人のデータをレコードと表現している。顧客と見込客のファイル・レコードは普通、名前・住所・性別・年齢・家族構成・注文商品・数量・価格などで構成されている。顧客ファイル・レコードは、しばしばプロモーション成功の要となるマーケティング情報を含む。

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ASCII.jpデジタル用語辞典 「レコード」の解説

レコード

データベースを構成する基本単位のひとつで、複数のフィールドが集まって構成される1件分のデータのこと。行、データレコード、論理レコードとも呼ばれる。レコードの集まりがブロックで、ブロックの集まりがファイルである。

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世界大百科事典 第2版 「レコード」の意味・わかりやすい解説

レコード【record】

円盤上に,線状の音溝を渦巻状にきざみ,音を,溝のたて,よこの変化の程度,という形で記録したもの。対応する英語はほかにも,gramophone record,disk record,phonograph recordなどがある。音を記録し,再生する試みは多くの人々によってなされたが,これらの英語は,当時の考案者が“レコード”に与えた名称のなごりを現代にまでとどめているようである。なお,円盤上の渦巻には,外側から順次内側へ向かう形で音が記録されているが,ディジタル時代のレコードともいわれるコンパクトディスクでは,逆に内側から外側へ向かって音が,ディジタル化された信号として記録されている。

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