エジソン(英語表記)Thomas Alva Edison

デジタル大辞泉 「エジソン」の意味・読み・例文・類語

エジソン(Thomas Alva Edison)

[1847~1931]米国発明家電気学を学ぶ。1869年、電気投票記録機の発明に始まり、株式相場表示機・電信機送話器蓄音機白熱電球・映画用撮影機・映写機蓄電池などを次々に発明。特許は1300以上にのぼった。トーマス=エジソン。

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精選版 日本国語大辞典 「エジソン」の意味・読み・例文・類語

エジソン

(Thomas Alva Edison トマス=アルバ━) アメリカの発明家。その発明、改良は多方面に及び、一三〇〇件以上の特許を得る。特に、電信機、電話機、白熱電球、磁力選鉱法、アルカリ蓄電池、キネトホンなどの発明は有名。また、世界最初の電灯会社を設立。(一八四七‐一九三一

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改訂新版 世界大百科事典 「エジソン」の意味・わかりやすい解説

エジソン
Thomas Alva Edison
生没年:1847-1931

アメリカの発明家,電気技術者。二重電信機,スズ箔蓄音機,カーボンマイクロホン,白熱電球,映画,アルカリ蓄電池,謄写印刷機などを発明,または改良したことで非常に著名である。貧しい材木商兼穀物商の家に生まれ,小学校には数ヵ月しかいかずに母親から教育を受けた。少年時代から彼は電気や化学の実験に熱中した。南北戦争前後の当時は鉄道と電信網の急速な発展時代であった。エジソンは12歳のときに列車に乗り込む新聞売子となり,長距離列車の車内で新聞を発行するなどの商才を示した。彼はこのころから耳が悪くなり,その後聞こえなくなってしまった。1863年には電信技手となり,その後は,当時の電信技手たちがそうであったように腕を頼りに各地を渡り歩き,かたわら電信機の改良や発明に熱中した。68年からは,ボストンに落ち着いて発明に力を入れるようになった。当時は土地・金属投機の狂乱時代であった。

 70年にニューヨークでウェスタン・ユニオン社Western Union Co.のために相場表示機を改良して4万ドルをもうけた。この金でエジソンは自分の研究所をもつことができた。発明工場のようなこの研究所は76年にメンロー・パークMenlo Parkに移り,約10年後にウェスト・オレンジWest Orangeに移った。彼は連日わずかな睡眠で発明活動を続け,次々と大発明を行った。エジソンの成功は,彼自身の努力と好奇心,判断力のたまものであると同時に,背景として発展期にあったアメリカ社会をぬきにしては語れない。79年には炭素フィラメント白熱電球を発明し,続いてこれを商業生産するとともに,82年にロンドンとニューヨークで電灯照明用配電システムの運転を開始した。この事業を通じて形成されたエジソン電気照明会社Edison Electric Light Co.は今日世界最大の総合電機メーカーであるGE社General Electric Co.の前身である。公共送配電網に直流と交流のどちらを用いるべきかの争いにおいて,彼は交流の長所を見抜くことができず,そのためにエジソン社,GE社の経営から退く結果となった。

 晩年には鉄鉱石の磁気選別を企業化しようとしたが,失敗した。彼の発明,発見のほとんどは実用を強く意識してなされたものである。例外として,二極真空管基礎となったエジソン効果の発見がある。エジソンの研究所は,研究開発を目的とする現代の企業研究所のはしりと見ることができる。
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百科事典マイペディア 「エジソン」の意味・わかりやすい解説

エジソン

米国の発明家,電気技術者。オハイオ州生れ。少年時代に鉄道乗務の新聞売子をつとめ,そのかたわら電信技術を習得して電信技手となる。各地を渡り歩きながら発明に没頭し,1870年発明家として自立。株式相場表示機,印字電信機などのあと,1877年蓄音機,1879年白熱電球を発明,ついで発送配電機器,配電方式を設計,1882年世界最初の中央発電所とエジソン電気照明会社を設立して電気事業の緒を開いた。なお,この会社はゼネラル・エレクトリック社の前身にあたる。1884年電球の実験中に発見したエジソン効果はのちの真空管発達の基礎となった。その後も1889年キネトグラフ(キネトスコープ),1909年エジソン電池,1912年キネトホンなど,生涯の特許1300件を越える多数の発明を行った。
→関連項目サイエンス炭素繊維テスラ熱電子

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「エジソン」の意味・わかりやすい解説

エジソン
Edison, Thomas Alva

[生]1847.2.11. オハイオ,ミラン
[没]1931.10.18. ニュージャージー,ウェストオレンジ
アメリカの発明家,企業家。年少の頃から正規の教育を受けず,図書館などで独学。非常な努力家で,列車内で,新聞売り子をしながら実験室をつくった逸話は有名。 1863年電信技師となり,各地を放浪。その間手当り次第に科学雑誌を読破。特に M.ファラデーの『電気学の実験的研究』に魅せられた。 68年投票記録機で最初の特許を得たが,需要がまったくなく,不成功に終った。それ以後需要のあるものだけの発明に専心し,数々の発明品を世に送った。 76年メンローパークに応用科学研究所を創設。 1000件をこす発明を達成し,企業化に努力した。蓄音機 (1877) ,白熱電球 (79) ,活動写真 (91) などの発明は人々の生活を一変させた。彼には 83年のエジソン効果の発見のように純科学的業績もあり,自然科学者としても十分に通用する人であった。

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「エジソン」の解説

エジソン

エディソン

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世界大百科事典(旧版)内のエジソンの言及

【映画】より

…1889年,イーストマン・コダック社が同社の開発した写真用セルロイド・リボンに〈フィルム〉の名を冠したのがこのことばと映像の結びつくきっかけとなった。さらにトマス・エジソンが映画撮影用に50フィートという長いフィルム(ロールフィルム)をイーストマンに注文し,このときからこのことばは映画そのものに結びつくことにもなる。なお,セルロイドということばも,英語やフランス語では映画の代名詞として使われており,celluroid screenといえば〈銀幕silver screen〉の意になる。…

【大列車強盗】より

…1903年製作のアメリカ映画。発明家のトマス・エジソンが主宰するエジソン・カンパニーの作品で,監督はエドウィン・S.ポーター。〈犯罪〉〈暴力〉〈正邪の対決〉といったすぐれてアメリカ映画的な要素をはらんだストーリーを,初めて映画的な話法で表現することに成功して〈アメリカ映画の最初の古典〉とみなされている。…

【トーキー映画】より

…もっとも原始的なシステムは,劇場のスクリーンの背後に俳優や音響係りを配置して,せりふや音をスクリーンにシンクロナイズ(同調)させるもので,1895年に行われたリュミエールの映画会にも,D.W.グリフィス監督の《国民の創生》(1915)の特別公開にもこのシステムが使われたことがあるという。その後,エジソンの〈キネトフォン〉,あるいは〈キネトフォノグラフ〉をはじめ,いろいろなシステムが発明,改良されて,音響と音楽だけのサウンド版《ドン・フアン》(1926),歌唱場面だけを同時録音した〈パート(部分)トーキー〉の《ジャズ・シンガー》(1927)がつくられ,次いで全編に音声が伴う《紐育の灯》(1928)が最初の〈100%オール・トーキー〉として登場する。 ハリウッドの映画会社ワーナー・ブラザースがいちはやくトーキーの製作を始めたが,それはかならずしもそのころになってやっとトーキーの技術的基礎ができたからではなかった。…

※「エジソン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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