日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ポルタ(Antonio Porta)
ぽるた
Antonio Porta
(1935―1989)
イタリアの詩人、作家。アンソロジー詩集『最新人』(1961)に入り、「63年グループ」結成に参加した新前衛派の中心メンバーの一人。彼の詩はコミュニケーションの不可能性をいうよりも現実の生理的な瓦解(がかい)、その剥(は)がれた薄片を摘み取ることを目ざした。1958年から1975年までの詩の集成『きみたちにいうべきこと』(1977)のあと『歩行通行』(1980)、『終りの空気』(1982)、『侵入』(1984)の詩集、また編書として『70年代の詩』(1980)があり、『ゲーム』(1967)、『すべて裏切りだとしたら』(1981)などの小説作品も世に問うている。
[古賀弘人]
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