薄片(読み)うすっぺら

精選版 日本国語大辞典 「薄片」の意味・読み・例文・類語

うすっ‐ぺら【薄片】

〘形動〙 (「うすぺら(薄片)」を強調した語)
① 物の厚みが乏しく貧弱な感じのするさま。うすぺら。
※俳諧・七番日記‐文化一二年(1815)一一月「初物ぞうすっぺらでもおれが雪」
知識思慮などの内容が貧弱で、上っ調子なさま。うすぺら。
洒落本・匂ひ嚢(1801)二「あんまり早くおれるのもうすっへらなよふだけれ共」
当世書生気質(1885‐86)〈坪内逍遙〉一〇「受売の論説にて、〈略〉はなはだ薄(ウス)っぺらなつけやきばなり」

はく‐へん【薄片】

〘名〙
① うすいかけら。うすい切れ端。
本朝食鑑(1697)二「豆腐〈略〉有六条者豆腐条片晒乾経日候略堅乾細切作薄片而用之」
顕微鏡で見るために薄くした標本。〔英和和英地学字彙(1914)〕

うす‐ぺら【薄片】

〘形動〙
滑稽本東海道中膝栗毛(1802‐09)二「うすへらなるふとんのやふなもの」
※春迺屋漫筆(1891)〈坪内逍遙〉壱円紙幣の履歴ばなし「本来の薄(ウス)ぺら其身貴からざれば」

うすっ‐ぺら・い【薄片】

〘形口〙 (「うすっぺら」の形容詞化)
① 物の厚みが乏しく貧弱な感じがする。
蟹工船(1929)〈小林多喜二〉一〇「薄っぺらい布団に包まって」
② 知識や思慮などが深くない。浅薄である。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「薄片」の意味・読み・例文・類語

はく‐へん【薄片】

薄いかけら。平たい切れはし。

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