ポリウレタン
ポリウレタン
polyurethane
主鎖にウレタン結合(次の構造式)をもつポリマー.
この構造は,カルバミン酸のエステル,あるいは炭酸のアミドエステルと考えることができる.もっとも広く使用されているのは,二価または多価のアルコール,アミンなどの活性水素をもつ化合物と,二官能または多官能のイソシアナート類との反応で得られるポリマーである.例を次に示す.

一般に,プレポリマーをつくっておいて,これにジオール,アミン,水などを反応させて硬化させる.使用するアルコールおよびイソシアナートの種類によって物性は大きく変わり,ゴム状弾性([別用語参照]ゴム弾性)をもつもの(ウレタンゴム)から結晶性のよい硬化性樹脂(ウレタン樹脂)まで変化させることができる.また,プレポリマーに水を反応させたときに発生する二酸化炭素をうまく利用してフォーム(ポリウレタンフォーム)をつくることもできる.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
ポリウレタン
ぽりうれたん
polyurethane
ウレタン結合-OCONH-をもった重合体(ポリマー)の総称。一般にジイソシアナートとグリコールとから付加重合で得られる。合成ゴム、合成繊維、接着剤、塗料、ウレタンフォーム、自動車バンパーなど、その利用が拡大している。
工業的に用いられるジイソシアナート類には図のようなものがある。図の(1)と(2)の80対20の混合物がよく用いられている。グリコール成分は種々で、ポリエチレングリコールやポリプロピレングリコール、さらに両末端ヒドロキシ基のポリエステルなどが必要に応じて用いられる。
[垣内 弘]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
ポリウレタン
polyurethane
主鎖の繰返し単位中にウレタン結合 ( -NHCOO- ) をもつ重合体の総称で,主としてジイソシアネートとグリコールとの重付加により合成される。単量体に種々の構造の化合物が用いられることと,反応中自由に架橋できるために種々の性質の重合体が得られる。軟質および硬質のポリウレタンフォーム (寝具,家具,自動車部品,建築材料など) ,弾性糸,接着剤,塗料,合成皮革など各方面に利用されている。
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百科事典マイペディア
「ポリウレタン」の意味・わかりやすい解説
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ポリ‐ウレタン
〘名〙 (Polyurethan) ウレタン結合(-NH COO-)という構造を繰り返して結合している高分子化合物。耐摩耗性、耐溶剤性、耐薬品性が比較的高く、発泡させてウレタンフォームとし、
マットレス、包装用、
スポンジ状たわし、断熱材などに用いられる。他にウレタンゴム、接着剤、繊維、塗料などきわめて広い用途がある。
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デジタル大辞泉
「ポリウレタン」の意味・読み・例文・類語
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ポリウレタン
主鎖中にウレタン結合 (-NHCOO-)をもつ高分子物質を総称していう.樹脂として特徴のある性質があり広く用いられている.
出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報
ポリウレタン【polyurethane】
分子内にウレタン結合-OCONH-をもつ高分子化合物の総称。ゴム状弾性体として,ウレタンゴム,エラストマーとして用いられるほか,ウレタンフォームや接着剤としても広く用いられている。一般にはジオール(たとえば1,4‐ブタンジオール)とジイソシアネート(たとえばジフェニルメタンジイソシアネート)の重付加によって製造される。
ゴム用途には,ジオールとしてポリエチレングリコール,ポリプロピレングリコールのようなポリエーテルジオールや,末端ジオールの脂肪族ポリエステルが用いられる。
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世界大百科事典内のポリウレタンの言及
【化学繊維】より
…ケミカルレースの基布に水溶性のビニロンが使われる。
[ポリウレタン系]
ゴムのようによく伸び元に戻る性質をもつ繊維をスパンデックスspandex繊維というが,ほとんどがポリウレタンでできている。ポリウレタンは二つの成分,すなわちゴムのように柔らかい部分であるソフトセグメントと,分子の動きが抑えられている堅い部分のハードセグメントから成る(図2)。…
※「ポリウレタン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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