ヘニー(英語表記)Henie, Sonja

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヘニー」の意味・わかりやすい解説

ヘニー
Henie, Sonja

[生]1912.4.8. ノルウェークリスチャニア
[没]1969.10.12. オスロへ向かう機中
ノルウェー生まれのアメリカ合衆国フィギュアスケート選手オリンピック冬季競技大会で 3連覇し,プロのスケート選手や映画女優としても活躍した。5歳からバレエを習い始め,アンナ・P.パブロワの影響を受けた。6歳でスケートを始め,10歳のときにノルウェー国内のフィギュアスケート選手権大会で優勝。1924年シャモニー・オリンピック冬季競技大会に出場し,スケートの演技にバレエの表現方法を取り入れて,それまでの型にはまった味気ない滑走を,華やかで人気のあるショーに変えた。また,女子フィギュアスケートで初めて膝上丈の短いスカートを着用した。スピンを得意とし,プログラムに 19種類の異なるスピンを織り交ぜ,約 80回も回転することができた。1922年から 1934年までノルウェー選手権大会で優勝を重ね,ヨーロッパ選手権大会で 6連覇(1931~36),世界選手権大会で 10連覇(1927~36)した。オリンピックでは,1928年サンモリッツ・オリンピック冬季競技大会,1932年レークプラシッド・オリンピック冬季競技大会,1936年ガルミッシュパルテンキルヘン・オリンピック冬季競技大会の 3大会で金メダルを獲得した。1936年ガルミッシュパルテンキルヘン大会後にプロに転向した。1936年に 20世紀フォックスと契約し,『銀盤女王』One in a Million(1936~37)や『氷上乱舞』Thin Ice(1937)など 10本の映画作品で主演した。1941年にアメリカ市民権を取得。後年現代美術の収集家および後援者として名をはせた。1968年に 3人目の夫,ノルウェーの海運王ニルス・オンスタッドとともに,ノルウェーのオスロ近郊に現代美術館ヘニー・オンスタッド・アートセンターを設立した。(→アイススケートオリンピック冬季競技大会

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改訂新版 世界大百科事典 「ヘニー」の意味・わかりやすい解説

ヘニー
Sonja Henie
生没年:1912-69

ノルウェーの女子フィギュアスケートの選手。1923年11歳で全ノルウェー・フィギュアスケート選手権に優勝,翌年の第1回冬季オリンピック大会(シャモニー・モンブラン)ではふるわなかったが,28,32,36年のオリンピック大会で優勝,ヨーロッパ選手権8回,世界選手権10回のタイトルを持つ。小柄な体に短いスカートをつけ,華麗で型破りのスケーティングで知られた。36年にプロ選手に転向,《銀盤の女王》など10本の映画にも出演し,アイス・レビュー団を主宰するなどスター的存在であった。
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世界大百科事典(旧版)内のヘニーの言及

【スケート】より

…アメリカでダンスを修業,ウィーンに渡り,ここを本拠にして全ヨーロッパに音楽とダンスとスケートのフリースケーティングを普及させた。国際スケート連盟結成以後のフィギュア界に名をとどめているのはノルウェーの天才少女S.ヘニーである。10歳でノルウェー選手権に優勝,オリンピックの第2~4回大会に3回連続優勝,その後はプロとしてショースケーターに転じ,すばらしい演技を見せた。…

※「ヘニー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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