プローヒタ(英語表記)purohita

改訂新版 世界大百科事典 「プローヒタ」の意味・わかりやすい解説

プローヒタ
purohita

古代インド司祭官。前期ベーダ時代(前1500ころ-前1000ころ)には,部族首長を補佐し,部族の繁栄戦勝を祈る司祭であった。その後,王権が発達するとともに王付司祭,宮廷祭官長の地位を得ている。その地位は一般に世襲された。バラモン階級の最有力者としてつねに王の身近に行動し,一国政治に大きな影響を与えることもあった。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「プローヒタ」の意味・わかりやすい解説

プローヒタ
purohita

古代インドの宮廷司祭。インドでは司祭職はバラモンにより独占されたが,彼らのうち最高の地位にあったものが宮廷司祭で,国家のさまざまな儀式を執行した。バラモンが伝えた諸文献には,プローヒタが存在しなければ王国の繁栄はないと繰返し述べられている。王の助言者として一国の政治に影響力をもつこともあり,その職は一般に世襲された。

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世界大百科事典(旧版)内のプローヒタの言及

【インド】より

…王の地位は世襲的であるが,長男子継承の原則は必ずしも定まっておらず,王子たちは中央・地方の要職を占め,女帝も例外的に知られている。王を補佐するのはプローヒタpurohita(宮廷祭官)などのバラモンであって,彼らは行政や軍事の職に多く採用された。これらの古典は3世紀までに完成し,バラモンの宗教と文化を採用したグプタ朝はこの政治理念を尊重し,それ以後長く踏襲された中央・地方の政治体制を樹立した。…

【インド】より

…王の地位は世襲的であるが,長男子継承の原則は必ずしも定まっておらず,王子たちは中央・地方の要職を占め,女帝も例外的に知られている。王を補佐するのはプローヒタpurohita(宮廷祭官)などのバラモンであって,彼らは行政や軍事の職に多く採用された。これらの古典は3世紀までに完成し,バラモンの宗教と文化を採用したグプタ朝はこの政治理念を尊重し,それ以後長く踏襲された中央・地方の政治体制を樹立した。…

※「プローヒタ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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