プレーグル(読み)ぷれーぐる(英語表記)Fritz Pregl

デジタル大辞泉 「プレーグル」の意味・読み・例文・類語

プレーグル(Fritz Pregl)

[1869~1930]オーストリア有機化学者。微量天秤を開発し、有機化合物の元素微量分析法(プレーグル法)を完成した。1923年ノーベル化学賞受賞。

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精選版 日本国語大辞典 「プレーグル」の意味・読み・例文・類語

プレーグル

(Fritz Pregl フリッツ━) オーストリアの有機化学者。有機化合物の元素分析を微量から行なう方法、また微量天秤考案。一九二三年ノーベル化学賞受賞。(一八六九‐一九三〇

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「プレーグル」の意味・わかりやすい解説

プレーグル
ぷれーぐる
Fritz Pregl
(1869―1930)

オーストリアの有機化学者。9月3日ライバハ(現在のスロベニアリュブリャナ)に生まれる。グラーツ大学で医学を学び、ドイツに留学(1904)、オストワルト、E・フィッシャー、アプデアハルデンEmil Abderhalden(1877―1950)のもとで研究、インスブルック大学教授(1910~1913)、グラーツ大学教授(1913)となり、終生同大医化学研究所で研究した。胆汁酸の研究中、微量試料の分析の必要から、精密な天秤(てんびん)の製作をクールマンW. H. Kuhlmannに依頼し、分析装置改良して試料2~3ミリグラムでも十分でしかも比較的短時間に行える有機定量分析法を考案した。これによって有機化学、生化学の発展に大きな寄与をすることとなり、1923年ノーベル化学賞を受賞した。1930年12月13日グラーツで没。

[岩田敦子]

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改訂新版 世界大百科事典 「プレーグル」の意味・わかりやすい解説

プレーグル
Fritz Pregl
生没年:1869-1930

オーストリアの化学者。ライバハの生れ。グラーツ大学で医学を学び,卒業後,生理学の研究を続けた。1904年ドイツのF.W.オストワルトやE.フィッシャーのもとで化学を学んでグラーツに戻り,タンパク質や胆汁酸を研究した。少量の試料しか得られないこれらの有機化合物を分析するために微量分析法を創始微量てんびんその他の装置をくふうして,数mgの試料から炭素,水素,窒素を正確に定量する方法を12年までに確立した。その後いっそうの改良を重ねてこれを完成し,微量天然物の化学的研究の基礎を築いた。13年グラーツ大学教授。23年これらの業績によりノーベル化学賞を受賞。
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化学辞典 第2版 「プレーグル」の解説

プレーグル
プレーグル
Pregl, Fritz

オーストリアの有機化学者.グラーツ大学で医学を学び,生理化学を専攻して,1899年同大学の講師となった.1905年ドイツに留学,1910年インスブルク大学化学科長になり,1913年グラーツ大学に戻った.はじめ生化学を研究していたが,1 mg の量で可能な分析方法の改良に取り組み,ハンブルクの機器製作者W. Kuhlmannと協力して,0.001 mg の精度のてんびんを完成し,その後工夫を重ね,微量分析法に成功をおさめた.その著書Die quantitative Microanalyse(初版1917年)が版を重ね,仏訳,英訳もあって,分析法の普及に貢献した.微量分析法の発明による有機化学への貢献が認められ,1923年ノーベル化学賞を受賞した.

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「プレーグル」の意味・わかりやすい解説

プレーグル
Pregl, Fritz

[生]1869.9.3. ライバハ
[没]1930.12.13. グラーツ
オーストリアの化学者。 1893年グラーツ大学で医学の学位を取得。ドイツ留学 (1904) ,W.オストワルト,E.フィッシャーの各研究室で学ぶ。インスブルック大学医化学教授 (10) ,グラーツ大学医化学研究所所長 (13) 。胆汁酸の研究過程で微少量の試料を扱う必要に迫られたことから微量天秤を考案し,数十分の 1mgの分析が可能な有機微量分析法 (プレーグルの炭水素微量定量法) を開発した。 1923年ノーベル化学賞受賞。

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百科事典マイペディア 「プレーグル」の意味・わかりやすい解説

プレーグル

オーストリアの有機化学者。1913年グラーツ大学教授。微量てんびんを考案して有機物の炭水素微量定量法を創始,元素微量分析法を完成した。1923年ノーベル化学賞。

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