バテレン(読み)ばてれん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「バテレン」の意味・わかりやすい解説

バテレン
ばてれん

キリシタン時代のカトリック司祭ポルトガル語パードレpadreから、日本人は「伴天連」などの当て字を用い、「バテレン」と称した。当時、来日した司祭はほとんどがポルトガルスペインイタリア人であり、イエズス会員がもっとも多く、1610年(慶長15)には69名を数えた。日本人でバテレンに叙せられた者もいるが、1620年(元和6)を例にとると7名にすぎない。1630年(寛永7)ごろ、日本からバテレンはすべて姿を消した。

松田毅一

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改訂新版 世界大百科事典 「バテレン」の意味・わかりやすい解説

バテレン (伴天連)

ポルトガル語のパードレpadreに由来するキリシタン用語。司祭,神父を意味し,司祭職にある聖職者をいう。布教組織の指導的立場にあり,階級的にはイルマン上位に位置する。波阿伝連,破提連,はてれんなどと書くこともある。
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山川 日本史小辞典 改訂新版 「バテレン」の解説

バテレン

キリシタン司祭・神父の意。ポルトガル語のパードレが日本語化したもの。伴天連と記されることが多いが,排耶書なかには天を破る魔術師の意で「破天連」とあてるものもある。厳密には叙階をうけた司祭のみをさすが,日本側史料ではキリシタン指導者一般をさした場合もあったらしい。キリシタン訴人褒賞制では訴人対象者の階級によって褒賞額に差があり,バテレン階級が最も高額であった。

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世界大百科事典(旧版)内のバテレンの言及

【伴天連追放令】より

…(2)以心崇伝が1613年(慶長18)徳川家康の命により作成した排キリシタン令。通常伴天連追放文と呼び(1)と区別する。将軍徳川秀忠の名で公布され,江戸時代を通じて幕府のキリシタン禁制の基本法となった。…

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