ハサン・サッバーフ(読み)はさんさっばーふ(英語表記)asan-i abbā

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ハサン・サッバーフ」の意味・わかりやすい解説

ハサン・サッバーフ
はさんさっばーふ
asan-i abbā
(?―1124)

イスラム教イスマーイール派の一支派ニザール派(アサシン派)の初代宣教師。エジプトファーティマ朝カリフ、ムスタンシルal-Mustanir(在位1036~1094)の後継者争いで敗れたニザールのイマーム教主)位を擁護し、ファーティマ朝のイスマーイール派から分裂した。カスピ海南岸のアラムート山中に砦(とりで)を設け、スンニー派セルジューク朝と対立した。イマームの権威への絶対的服従を強調した。

鎌田 繁 2018年4月18日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

山川 世界史小辞典 改訂新版 「ハサン・サッバーフ」の解説

ハサン・サッバーフ
Ḥasan Ṣabbāḥ

?~1124

アサッシン創始者イランコム生まれ。1072年以降,ファーティマ朝イスマーイール派の宣教員として活動。90年エルブルズ山中のアラムート砦を獲得,以後,強固な教団組織を背景に特異な暗殺戦術でセルジューク朝スンナ派体制に対抗した。94年,イマームの後継問題からファーティマ朝と断絶,「新教説(ダーワ・ジャディーダ)」を創始した。

出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android