ノート
〘名〙
[一] (note)
① (━する) 書きとめること。書きつけておくこと。また、そのもの。
(イ) 人の言ったことばや講義などを筆記すること。また、その筆記したもの。
※正岡子規(1908)〈夏目漱石〉「ノートを借りて写すやうな手数をする男でも無かった」
(ロ) 創作などの目的で、資料や案を書きとめておくこと。また、そのもの。覚書。
草稿。
※中根重一宛夏目漱石書簡‐明治三五年(1902)三月一五日「日夜読書とノートをとると自己の考を少し宛かくのとを商売に致候」
② 注。注釈。
※社会百面相(1902)〈内田魯庵〉女学者「沙翁劇の真実の芝居を見もしないで註釈(ノート)を恃(あて)に講義する人よりは」
③ 音。音調。
※ふらんす物語(1909)〈永井荷風〉おもかげ「ピアノは踊るが如くに放蕩の楽みを現はす心か、頻(しきり)に細いノオトを繰返すのである」
※此ぬし(1890)〈尾崎紅葉〉六「角帽子目庇高(まびさしだか)に、手帳(ノオト)二三冊小脇に」
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ノート
Noth, Martin
[生]1902.8.3. ドレスデン
[没]1968.5.30. スベイタ
ドイツの旧約聖書学者。グライフスワルト (1927~28) ,ライプチヒ (28~30) ,ケーニヒスベルク (30~45) ,ボン (45) の各大学旧約聖書学教授を歴任。 A.G.アルトの弟子。主著『イスラエル史』 Geschichte Israels (50) は,周囲の世界との関連で,言語学的,歴史的,地誌的研究を集大成した力作。また伝承史的方法を用いた「モーセ五書」その他の研究でも知られる。注解叢書"Biblischer Kommentar"の編集者。そのほかの著書"Das Buch Josua" (38) ,"Die Gesetze im Pentateuch" (40) ,"Überlieferungsgeschichte des Pentateuch" (48) ,"Das zweite Buch Mose" (59) 。
ノート
Nott
北欧神話の女神。その名は夜を意味する。初めてヨツンヘイムに生れた巨人ネルビの娘で,色黒で黒い髪をしていた。ナグルファリと結婚し,息子アウズ (宇宙) を得た。次にはアンナルと結婚しヨルズ (大地) という娘が生れた。最後のデリングとの結婚ではダグ (昼) という息子が生れた。彼女はフリムファクシと呼ばれる馬をもっていたが,その馬は毎朝くつわから露を地上に振りまいた。
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デジタル大辞泉
「ノート」の意味・読み・例文・類語
ノート(Noto)
イタリア南部、シチリア島、シチリア自治州の町。同島南部、イブレイ山地の麓に位置する。17世紀の大地震により大きな被害を受けたが、サンニコロ大聖堂、サンドメニコ聖堂、モンテベルジネ聖堂をはじめ、その後の復興により再建されたシチリア‐バロック様式の建物が多く、同島南東部の八つの町が2002年に「バル‐ディ‐ノートの後期バロック様式の町々」の名称で世界遺産(文化遺産)に登録された。
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ノート
日産自動車が2005年から製造、販売している乗用車。5ドアの小型ハッチバック。
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ノート【notebook】
筆記帳の総称。一般には学習用のものを指す。江戸時代,寺子屋では手習草紙と称して,半紙を綴じたものに手習いの練習をしていた。1887年(明治20)ころには,鉛筆で記入する雑記帳または帳面と呼ばれた和紙(更紙)製のものが小学生の学習用に用いられた。大学ノートは,1884年に東京大学前の松屋が販売したものが最初といわれる。しかし当時はまだ洋紙が輸入されておらず,更紙製だった。97年ころになってドイツやイギリスから洋罫紙(フールスキャップ)が輸入され,これを国内で仮綴じしたものが売られるようになった。
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世界大百科事典内のノートの言及
【鉛筆】より
…おりしも日本の洋紙工業は,鉛筆とまったく軌を一つにして,1900年代から本格的量産体制に入り,10年代には和紙生産量を追い抜いて海外へ輸出するようになり,国内でも輸入洋紙に代わる安価な国産洋紙が豊富に用いられるようになった。学校でも,高価な手すき和紙に代わって安価な洋紙(ザラ紙)とその洋紙をとじ合わせた雑記帳(子ども用ノートブック)が使用されはじめており,この洋紙と筆記具としての鉛筆とが結びつくことにより,子どもの学習はきわめて大きな変貌をとげることになった。低品質の鉛筆は学童用の〈五厘鉛筆〉〈一銭鉛筆〉として,小学校を通じての一本売りにより急速に普及した。…
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