ノヴォデヴィチ女子修道院群(読み)ノヴォデヴィチじょししゅうどういんぐん

世界遺産詳解 の解説

ノヴォデヴィチじょししゅうどういんぐん【ノヴォデヴィチ女子修道院群】

2004年に登録されたロシアの世界遺産(文化遺産)で、首都モスクワ南西、モスクワ川の近くにある修道院。モスクワにある正教会の修道院の中でも、最も有名な女子修道院の一つである。この修道院の建物は、リトアニアからのロシア領土奪回を記念して、当時のモスクワ大公国のヴァシーリー3世(1479~1533年)の命により建設が始まった。現在残っている修道院の建築物群は15の建物からなる。6本の柱と3つのドーム屋根を持つスモレンスキー聖堂は、1524年から1525年にかけて建設されたもので、モスクワ・バロック様式の傑作とされ、ロシア建築特有の中央の切妻屋根は、雷帝と呼ばれたイワン4世(1530~1584年)の治世に建設されたものである。この聖堂の中には、16世紀のテンペラ画主体にした壁画がある。◇英名はEnsemble of the Novodevichy Convent

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百科事典マイペディア の解説

ノヴォデヴィチ女子修道院群【ノヴォデヴィチじょししゅうどういんぐん】

ロシアのモスクワにあるロシア正教会の女子修道院。1514年,ヴァシーリー3世がリトアニアからスモレンスクを奪還し,モスクワ大公国に併合されたことを記念して1524年から建設開始(1525年完成)。モスクワ川の湾曲部における要塞役割を果たしていたこともあり,城壁に囲まれているのが特徴。敷地内には複数の建築物があり,なかでもモスクワバロック様式の傑作とされるスモレンスキーの大聖堂が有名。墓地が併設されており,エリツィン元初代大統領などロシアの著名な人物が多数埋葬されている。2004年世界文化遺産に登録。

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