セラミックコーティング(英語表記)ceramic coating

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「セラミックコーティング」の意味・わかりやすい解説

セラミックコーティング
ceramic coating

耐熱性をよくするために,軟鋼耐熱鋼耐熱合金モリブデンサーメットなどの表面にセラミックスを被覆すること。普通,釉 (うわぐすり) を表面に施して焼成して行われ,狭義には,釉がおもにガラス質のものを含む耐熱ほうろうをさすが,一般にはその他の耐火性結晶質をも含む。特殊な溶噴射装置を用いて溶融成分を酸素-アセチレン炎で溶かし,圧搾空気金属表面へ吹きつける方法も行われている。ジェットエンジンや原子炉部品などに用いられている。

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百科事典マイペディア 「セラミックコーティング」の意味・わかりやすい解説

セラミックコーティング

金属や黒鉛等を保護するためにその表面を耐熱性,耐摩耗性,耐酸化性,耐薬品性をもったセラミックスで被覆すること。ほうろう掛け(ガラス質のセラミックスを表面に融着させる)による方法,化学蒸着(気化しやすい塩化物などを熱解離によって反応させる)による方法,酸素アセチレン炎プラズマジェット加工等で溶射する方法等がある。初め航空エンジン排気管に利用,現在では金属のさびを嫌う家庭用の器具などに利用されている。

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世界大百科事典 第2版 「セラミックコーティング」の意味・わかりやすい解説

セラミックコーティング【ceramic coating】

金属表面を耐食性,耐熱性,耐摩耗性の良いセラミックスで被覆すること。ジェットエンジンとかロケットエンジンのように高温度で高速動作させることが必要な場合とか,金属工業や化学工業のように高温で腐食性の強い環境で使用される装置,あるいは家庭用の器具で金属のさびを嫌うときに,セラミックコーティングが施される。その方法としては,(1)ほうろう掛け,(2)溶射法,(3)化学蒸着法の3種がある。ほうろう掛けとは,比較的低融点のガラス質のセラミックスを金属表面に融着させることである。

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