日本大百科全書(ニッポニカ) 「炭化」の意味・わかりやすい解説
炭化
たんか
carbonization
有機物質を空気や酸素の流通を断って加熱すると、黒色の炭素に富んだ物質に変化するが、このプロセスを炭化という。木炭はこの炭化作用の生成物の好例である。生成したものは無定形炭素などを主成分とする集合体で、多くは多孔質であり、きわめて表面積が大きい。炭化の反応がどのように進むかはまだ未知の部分が多いが、加熱によって脱水、脱水素反応がおこり、縮合多環の芳香族化合物が生じ、さらに網目状の構造を形成してゆくものと考えられている。
[山崎 昶]