日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
サンタ・フェ(アルゼンチン)
さんたふぇ
Santa Fé
アルゼンチン中央部、サンタ・フェ州の州都。都市圏人口48万4469(2001)。パラナ川に面し、首都ブエノス・アイレスの北西483キロメートルに位置する。鉄道および道路網の要地で、対岸のパラナとは河底トンネルで結ばれる。後背地では穀作が盛んで、小麦、トウモロコシ、亜麻(あま)、米などの集散地である。サンタ・フェ州政府は19世紀なかば以降、農業入植地の建設を奨励し、サンタ・フェを中心にヨーロッパ農業移民の入植が相次いだ。穀作に加え肉牛、乳牛、ブタなどの牧畜業も盛んである。市およびその近郊には製粉、精糖、缶詰、ビール醸造、乳製品製造など食品加工工場に加え繊維、製紙、木材加工、皮革、陶器、トラクター製造などの工場がある。1573年フアン・デ・ガライにより建設され、1650年に現在の地に移転、パラナ川航行の主要港となった。また独立戦争、建国期には連邦主義派の政治運動の拠点となった。
[今井圭子]