サラド川(読み)さらどがわ(英語表記)Río Salado

日本大百科全書(ニッポニカ) 「サラド川」の意味・わかりやすい解説

サラド川
さらどがわ
Río Salado

南アメリカ、アルゼンチン北西部の川。パラナ川支流全長1470キロメートル、流域面積24万7000平方キロメートル。上流部はアンデス山脈の6000メートル級の山岳地帯を、中・下流部はグラン・チャコ南部の平野を流れる。上流域にはサルタをはじめ集落が多い。半乾燥地帯にあたる中流部では支流の流入がなく、流量が漸減し、下流部では間欠河川になる。中流部の流路沿いには、12月から4月にかけての増水期に浸水する低地(バニャード)が広がり、古くから農業に利用されてきた。

[松本栄次]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サラド川」の意味・わかりやすい解説

サラド川
サラドがわ
Río Salado

アルゼンチン北部を流れる川。ラプラタ川水系パラナ川の右岸支流。同国北西部のアンデス山脈東斜面に発する小河川を集めたトロ川とグアチパス川が,サルタの南約 50kmの地点で合流してパサヘ (フラメント) 川となり,東流して斜面を流下。山麓の低湿地帯へ出るとともに南南東へ流れを変え,サンチアゴデルエステロ州に入ってサラド川と呼ばれるようになり,南東,次いで南へ転じながら低地を流れ,サンタフェでパラナ川に注ぐ。全長約 2000km。グランチャコと呼ばれる大平原地帯の南を限る川とされる。

サラド川
サラドがわ
Río Salado

アルゼンチン中北部西寄りを流れる川。コロラド川の左岸支流。同国北西部,ラリオハ州北部のアンデス山脈に源を発し,アンデスから流下するサンフアン,トゥヌヤン,ディアマンテ,アトゥエルなどの支流を右岸に受けながら,南南東ないし南へ約 1300km流れてコロラド川に注ぐが,しばしば同川に達する前にラパンパ州の湿地帯で消失する。河名は上流から順次,ベルメホ Bermejo,デサグアデロ Desaguadero,サラド,チャディレウブ Chadileuvú,クラコ Curacóと変る。

サラド川
サラドがわ
Río Salado

アルゼンチン中部,ブエノスアイレス州を流れる川。同州とサンタフェ州の州境にあるチャニャル湖 (湖面標高約 40m) に発し,低地を曲流しながらほぼ東南東に流れ,大西洋岸のサンボロンボン湾に注ぐ。全長約 650km。しばしば氾濫する。下流部の河水を利用して大規模な灌漑施設が建設されている。沿岸主要都市はフニン。

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