日本大百科全書(ニッポニカ) 「グランドスラム」の意味・わかりやすい解説
グランドスラム
ぐらんどすらむ
grand slam
おもに、スポーツの試合で年間の主要な大会をすべて制覇すること。また公式に認定された主要な一連の大会を意味することもある。トランプゲームのコントラクト・ブリッジcontract bridgeで、1ゲームに13回めぐってくる勝負のすべてに勝利することをグランドスラムとよぶことが、他の競技でも使われるようになった。なかでも、ゴルフとテニスで世界の四大大会すべてに優勝することを表すことばとして定着している。ほかに、野球で満塁ホームランのこと、ラグビーのヨーロッパ6か国対抗戦(シックス・ネイションズ)で全勝優勝すること、柔道では国際柔道連盟主催のフランス、アゼルバイジャン、ロシア、アラブ首長国連邦、東京で開催される五つの国際柔道大会のことなどを、グランドスラムとよんでいる。
ゴルフの場合は、メジャー選手権と称される四大大会の全英オープンThe Open Championship、全米オープンU.S. Open Championship、全米プロゴルフ選手権PGA Championship、マスターズ・トーナメントThe Masters Tournament(アメリカ)を、1年の間に制覇することをグランドスラムという。1930年にアメリカのボビー・ジョーンズが成し遂げたのが最初で、グランドスラムという名称はこのときから使われるようになった。また、女子やシニアの国際選手権においてもグランドスラムとよばれている大会が存在する。
テニスでは全豪オープンAustralian Open、全仏オープンFrench Open(Les Internationaux de France)、全英オープンThe Championships(通称ウィンブルドンテニス大会)、全米オープンU.S. Open Championshipsの国際テニス連盟International Tennis Federationが認定した四大大会がグランドスラムとよばれる。また、選手が1年間でこれらの四大大会をすべて制覇することをも示す。
[編集部]