カンムリバト(読み)かんむりばと(英語表記)common crowned pigeon

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カンムリバト」の意味・わかりやすい解説

カンムリバト
Goura cristata; western crowned pigeon

ハト目ハト科全長 66~75cmで,ハト科の最大種。頭上にはきわめて特徴的なレース状の大きな冠羽(→羽冠)があり,広げると扇形になる。肩と背に赤褐色の部位があり,には白帯があるが,体のほかの部分は青灰色である。脚は赤紫色でやや長め。ニューギニア島低地の熱帯雨林に,2~10羽の群れをつくって生息する。地上で採食し,果実漿果(→液果),種子主食とするが,昆虫なども食べる。夜間樹上で眠る。羽毛や肉を目的に狩られて生息数が少なくなっている。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「カンムリバト」の意味・わかりやすい解説

カンムリバト
かんむりばと / 冠鳩
common crowned pigeon

広義には鳥綱ハト目ハト科カンムリバト属に含まれる鳥の総称で、狭義にはそのうちの1種をさす。同属Gouraには3種が属し、すべてニューギニアとその属島に分布し、全長は70~80センチメートルに及び、名前の示すように、頭に大きな冠状の飾り羽がある。群れをなして森の中を歩き回り、落ちた木の実を拾って食べる。高い枝に小枝で大きな巣をつくり、1卵を産む。種としてのカンムリバトG. cristataは全長80センチメートル、全身美しい青灰色で、肩と背に赤色の、また翼に白色の大きな斑(はん)がある。ニューギニアの西端部と、沿岸のワイゲオ、バタンタ、サラワチ、ミソールの4島の森林にすむ。

[竹下信雄]


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百科事典マイペディア 「カンムリバト」の意味・わかりやすい解説

カンムリバト

ハト科の鳥。翼長37cm内外で,現生ハト類中最大,全身美しい灰青色で,頭上に冠毛をもつ。ニューギニア付近に分布し,地上で生活することが多い。動物園でよく飼育される。

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