カビンダ(英語表記)Cabinda

デジタル大辞泉 「カビンダ」の意味・読み・例文・類語

カビンダ(Cabinda)

アフリカ南西部、コンゴ川河口の北岸にあるアンゴラ飛び地。中心都市カビンダ。15世紀以来ポルトガル領であり、1885年にベルギー領コンゴに隔てられた飛び地として公認。コンゴ独立に伴いアンゴラ領になった。熱帯雨林に覆われ、木材コーヒーココアを産する。沖合にアフリカ有数の海上油田地帯がある。

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改訂新版 世界大百科事典 「カビンダ」の意味・わかりやすい解説

カビンダ
Cabinda

中部アフリカのコンゴ河口北岸にあるアンゴラの飛地。面積7270km2。人口20万(1996)。15世紀以来ポルトガルの支配下にあり,1885年からベルギー領コンゴ(現,コンゴ民主共和国)がコンゴ川下流両岸を領土としたため,アンゴラ(当時ポルトガル領)本土から切り離された。域内は大部分熱帯雨林におおわれ,木材,コーヒー,ココア,ゴム,ヤシ油などを産する。1961年独立を要求する民族主義者の蜂起があり,アンゴラ独立までゲリラ活動が続いた。67年アメリカのガルフ石油沿岸で油田を発見,68年から原油産出が始まり,急激に経済的重要性を増して産業構造が一変し,一時はアンゴラと別の独立運動も起こった。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「カビンダ」の意味・わかりやすい解説

カビンダ
かびんだ
Cabinda

アフリカ中部、コンゴ川河口に位置するアンゴラの飛び地。アンゴラ本土とは幅約30キロメートルのコンゴ民主共和国(旧ザイール)領によって隔てられている。面積約7270平方キロメートル、人口約8.4万(1974)、都市圏人口71万8915(2019推計)。中心都市はカビンダ市。15世紀後半にポルトガル人が来航し、16世紀以降砦(とりで)が築かれ、1885年のベルリン条約でポルトガル領西アフリカ(現アンゴラ)の飛び地として公認された。1975年の独立でアンゴラ領となった。土地は全般に平坦(へいたん)で、年降水量は800~1600ミリメートルに達し、各地に熱帯林が残されており、この木材が輸出の中心となっている。また1967年に沿岸の大陸棚石油が発見され、現在開発途上にある。農業においてもカカオアブラヤシラッカセイなどの商品作物化が進められている。住民の中心はバントゥー語系のカビンダ人で、教育水準は比較的高い。

[端 信行

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百科事典マイペディア 「カビンダ」の意味・わかりやすい解説

カビンダ

アフリカ南西部の大西洋岸,コンゴ共和国とコンゴ民主共和国にはさまれた地域で,アンゴラの飛地。主都カビンダ。赤道に近く,熱帯の密林におおわれ,バントゥー系のカビンダ人が住む。カカオ,ヤシ油,ラッカセイを産し,1968年からは石油も採掘。15世紀以来ポルトガルの植民地で奴隷,象牙(ぞうげ)の輸出地であった。44万1000人(2012)。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カビンダ」の意味・わかりやすい解説

カビンダ
Kabinda

コンゴ民主共和国中南部の町。ムブジマイ東北東約 100kmに位置。鉄道は通じていないが,綿花の取引と加工の中心地で,カサイオリエンタル州内ではムブジマイに次いで商業が盛ん。学校,病院,教会などもある。

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