西野(読み)にしの

日本歴史地名大系 「西野」の解説

西野
にしの

[現在地名]大内町岩谷町

岩谷町いわやまち村の西の広い原野で、近世初頭から畑として開拓されてきた。水を得れば田となる土地であったため亀田藩でも注目していたが、既墾地に影響を与えず水源を得ることが難しく、宝暦―明和(一七五一―七二)にかけて、幾度か開田計画がたてられたが、実行に移されなかった。

天明三年(一七八三)の大飢饉後、文化三年(一八〇六)亀田藩では渡合忠作を開墾奉行に任じ、西野開田に踏み切った。用水源として隣村川口かわぐち村に小沢こさわ新堤・猿田沢さるたさわ新堤、岩谷麓いわやふもと村に新山しんざん新堤をつくり、西野まで約三キロの用水路を築いた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報