オモダカ(面高)(読み)オモダカ(英語表記)Sagittaria trifolia; arrowhead

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オモダカ(面高)」の意味・わかりやすい解説

オモダカ(面高)
オモダカ
Sagittaria trifolia; arrowhead

オモダカ科多年草。小川や水田湿地に生える。東アジアからイラン,カフカス地方まで広範囲にわたって分布し,日本各地に普通にみられる。根茎は短く密にひげ根を出し,秋に白色の地下枝を伸ばし,頂端に小球茎をつける。葉には長さ 30~60cmの長い葉柄があり,葉身は鏃 (やじり) 形で,生えぎわから数個または十数個集って出る。夏から秋にかけて,高さ 40~70cmの花茎を出し,白色の花を何段にも輪生する。雌雄異花で,花茎の下部には雌花,上部には多数の雄花がつく。萼片状の外花被3枚,内花被も3枚で花弁状をなし,おしべ (雄花) ,めしべ (雌花) はともに多数ある。花後,頭状に多数の痩果が集って生じる。面高の名は,人の顔のような葉身が長い葉柄の上に高くみえることによる。各地で食用に栽培されているクワイ (慈姑)は,本種の変種とされ,中国原産である。

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